
こちらはある図書館で火災が起こり
地下の密室から死体が発見された
事件の謎に図書館を利用していた
刑事と司書が挑むミステリーよ。

火災!!本が燃えるのは何とも
心が痛む光景だな。それに
図書館で密室殺人事件だって?

そうなの。倒れた棚が内開きの
ドアを塞いだ形になっていた
地下書庫の中で焼死体が見つかるの。
小学生の頃に図書館をよく利用
していた刑事の貴博は司書として
働いている穂乃果の力を借りて
真相を見つけようとするわ。

なるほど。司書なら図書館の
事情には詳しそうだもんな。
それにしても図書館の火災の原因、
密室の謎が解けるのか。気になるぜ。
『図書館に火をつけたら』貴戸 湊太 (著) 宝島社文庫
あらすじ
千葉県北部にある七川市立図書館で大規模な火災が発生し、鍵がかかった密室状態の地下倉庫から頭部を殴られ殺害された死体が見つかった。
燃えさかる炎の中、誰が、どのようにして密室殺人を犯したのか。
刑事の瀬沼貴博は、かつて自身が図書館へ通っていた頃に思いをめぐらせながら捜査を行う。
燃え盛るる図書館と密室殺人事件の謎
小学生の頃、学校でいじめに遭っていた貴博は火災の知らせを受け現場へ急行。
自分が通っていた頃の場所から移転し、綺麗な建物に生まれ変わっていた七川図書館で火災が発生したのです。
倒れたスチール棚が内開きのドアをふさいでいた地下の書庫の中で焼死体が発見されました。
頭部には陥没があり、強い力で殴られたようです。
図書館の館長をはじめ、スタッフたちに話を聞いていた貴博は、そこに見知った顔があるのを発見します。
それは小学六年生の頃、学校に行けずに図書館へ通っていた貴博と同じように、この場所で共に時を過ごした仲間である穂乃果でした。
彼女はこの図書館にスタッフとなって戻ってきていたのでした。
身近な謎を鋭い推理で解いていた穂乃果の、豊富な知識と真相を見出す力は相変わらずのようです。
穂乃果にヒントをもらいつつ捜査を進める貴博ですが、図書館の放火の疑いがある人物を知り、驚きます。
それは穂乃果とともに当時図書館で過ごしていた鱗太郎だったのです。
まとめ
多くの知識と色とりどりな感情を与えてくれて、学校ではない場所として存在してくれていた図書館。
そんな大切な場所で火災が起こるうということだけでも胸が痛む出来事なのに、何と地下書庫から撲殺死体が発見され、しかもそれは密室状態。
探偵は貴博と同じく図書館に救われた過去を持つ穂乃果。
さすがの豊富な知識をベースに鋭い推理力を発揮します。
図書館とはどういった場所であるのか、スタッフはどんな思いで働いているのか。
彼らの思いと、そこで人生のひとときを過ごした貴博、穂乃果、鱗太郎たちの友情を描く、本好きさんはもちろん、そうでない人にもおすすめしたい図書館ミステリーです。
<こんな人におすすめ>
火災に遭った図書館の中で起こった密室殺人事件を描いたミステリに興味がある
図書館の現状や問題点に触れた物語を読んでみたい
貴戸 湊太のファン


図書館って知識の宝庫でも
あるけれどいつでも
どんな自分でも受け入れてくれる
そんな場所だったりもするんだな。

本を守る人々の思いと
密室殺人のトリックや動機が
絶妙なバランスで描かれている
心に残るミステリーね。
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