
こちらはある女性が老女から
金持ちになれる方法を教えて
もらい奮闘するお話よ。

その女性はお金がないのか?
働いていないのかね。

彼女が育った環境は複雑なの。
お金や常識に関して合っているのか
どうか自身が持てないの。
貯金もないし毎月ギリギリの生活を
送っているのよ。

ええ〜!?それはまずお金の使い方
というか管理の仕方とかから
学んだ方がいいんじゃないか?
それと、いったいどんな環境で
育ったのかも気になるな。
『老人ホテル』原田ひ香 (著)光文社文庫
あらすじ
大家族の末っ子として生まれた天使(えんじぇる)。
テレビの特番で家族の「日常の様子」を何度も放送される近所でも有名だった実家を出て、キャバ嬢として働いていた彼女は「金持ちになれる方法を知っている」という老女・光子の後をつけ、そのノウハウを教えてほしいと懇願する。
ギリギリの生活からお金持ちを目指す天使
高校を中退し、家を出てやる気のないキャバ嬢として働いていた天使。
お金も底をつき困っていたところ、老女・光子の姿を発見し尾行します。
たどりついたのは老人たちが長期滞在しているホテルで、清掃員募集の紙を見た天使はその場で申し込み、採用されます。
そして光子に「金持ちになる方法」と聞こうと機会を伺っていましたが、別の部屋に滞在する老女・幸子から声をかけられます。
そして「あなた、もしかして、あの日村さん?『仲良し日村さん一家』の」と言われます。
絶望にも似た気持ちが湧きあがってくる天使に対し、あなたの話を聞いてそれを書きたい、と話す幸子。
謝礼に惹かれて引き受けた天使は家での日常生活や家庭環境を思い出しながら、話をしていきます。
金持ちになる方法を光子に教えてもらおうと一度頼んで断られてしまった天使ですが、テレビに出ていた過去やそれを幸子に語っていることをどこからか聞きつけた光子はその方法を天使に教えてやってもいい、と言ってくれました。
お金がいつの間にか消えていく、という天使に対し呆れつつも光子が提示したのは「正社員になること」。
バイトでしか働いたことのない天使にはとてつもなく高いハードルのように思えましたが、今そうじの仕事で働いているこのホテルで正社員になれる可能性はあるのだろうかと思い切ってフロントにたずねてみたのですが…。
まとめ
生活保護を受け決して働こうとしなかった両親。
金のためにテレビの前で「仲良し家族」を演じ、カメラが回っていないところでは気分のままに子供を扱います。
そんな環境でその日のことしか見えない暮らしを送っていた天使はお金の道を知り、生きていくための知恵を光子から教わり、今の環境から少しずつ抜け出していくかのように思えたのですが。
お金との付き合い方で人生が変わる、そして幸せとはどんなものなのかを読者に問う物語です。
<こんな人におすすめ>
テレビで話題となった大家族で育った女性の人生を描いた話を読んでみたい
お金の流れや生きるための知恵を老女から学び新たな人生を歩む女性の物語に興味がある
原田ひ香のファン


ある意味えんじぇるは
純粋なんだよな…
なんというか巻末の短編が
どうも心に刺さる。
人間は変われる。でも…
えんじぇる!負けるな!!

暮らしとお金は密接している、
つまりどんな風に生きるかで
お金もどう活きるかが変わって
くるのではないかしら。
ちょっぴり辛口で心に響く物語ね。
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