飼い主が憂鬱そうにしていることってある?
たまにな。会社で嫌なこととか
あるみたいだ。ため息つきながら
家を出ていくんだよな…。
こちらは学校での「いじめ」をテーマにした
短編集よ。苦しみや悲しみの中で必死にもがく
女の子たちの姿を描いているの。
無理しなくていいんだぞ。
ちゅーるなくても我慢するから
飼い主には笑顔でいてほしいな。
『雨の降る日は学校に行かない』 相沢 沙呼 (著) 集英社文庫
あらすじ
サエとナツは保健室登校をしている中学二年生。平和で穏やかな日々が続くと思っていたが、サエが突然「自分のクラスに戻る」と言い出したことで終わりを迎える。ナツの心は複雑に揺れて…(「ねぇ、卵の殻が付いている」)。学校生活に息苦しさを感じている女子中学生の憂鬱とわずかな希望を描く6つの短編集。
保健室登校をしていた2人に訪れた変化
始業から終業までを、保健室で過ごすサエとナツ。しかし、サエが突然保健室登校を卒業し、教室へ戻ることに。残されたナツは、サエに対して裏切られたような、嫉妬のような思いを抱き、彼女を応援できない自分に腹立たしさを感じています。そして、ある決意をしたナツは保健室の外へと一歩を踏み出すのです…。
まとめ
「いじめ」をテーマに描かれた6つの短編集。単純な価値観で判断・評価される狭い世界に、おさまりきれずに足掻いたり苦しんだりしている少女たち。逃げることすらしない、不器用でまっすぐな彼女たちが、自分だけの道を見つけ、歩いていけるようにと願ってやみません。わずかな希望を見出して行くその姿に、そっと応援したくなる物語です。
<こんな人におすすめ>
学校へ行くのが嫌だった
学校へ行けなくて苦しんでいる人が近くにいる・いた
相沢 沙呼のファン
こんな状況でなぜ逃げ出さないのかな。
逃げることもできないのかもしれないわ。
周囲の人たちにも助けの手を差し伸べてほしいけど、
彼女たち自身でも明日に向かえる何かを見つけて
くれることを願うわ。
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