こちらは眠らない体質を持つ
忍びの末裔「梟の一族」のお話よ。
里が壊滅状態となり、東京で大学生活を
送る史奈に、ある競技の遺伝子ドーピング
疑惑に関する調査依頼が入るの。
遺伝子レベルでのドーピング!?
こりゃまたすごい話だな。
その競技ってのは何なんだ?
「ハイパー・ウラマ」という新競技よ。
詳細は明らかになっていないけれど
ドーピングOKなの。そこで長栖兄妹の
兄・諒一がドーピングなしでの参加を
表明するの。
そうか。諒一も梟の一族だもんな。
それにしても遺伝子ドーピングって
どんなものなのか気になるな。
『梟の胎動』福田 和代 (著)集英社文庫
あらすじ
眠ることがないという特殊な体質を持つ梟の一族がひっそりと暮らしていた里が潰滅してから四年。
大学二年となった史奈は、一族の奇病を救うために研究を続ける父や、陸上競技に打ち込んでいる長栖兄妹たちを見ながら、自分が今後何を目指し生きていくべきなのかがわからずにいた。
そんな中、梟一族の力を使い、ある競技の遺伝子ドーピング疑惑に関する調査依頼が入る。
遺伝子ドーピング問題ともうひとつの忍一族
大学に通い、夜はバイトや体を鍛え、日々を過ごしている史奈。
一族に伝わる古文書を解読する、という目標はありますが、それ以外に何を目指し、どこに向かって生きていくべきかが見つけられずにいます。
そんな中、教授を通して出水という人物と会うことになった史奈。
長栖兄妹の妹、容子とともに向かうと、出水は「梟の力を借りたい」のだと言います。
遺伝子ドーピングの研究に関わった十條という男の居場所を突き止めてほしい、と。
キナ臭い話に難色を示す史奈。
しかし、十條が史奈の父の研究室にいたことが気になり、依頼の返事は保留して独自で調査することに。
また、史奈は何者かに尾行されます。
史奈の身体能力を持ってしても容易に振り切ることのできなかった彼らは、犬のようにすぐれた嗅覚を持つ一族。
そしてようやく探し出した十條も奴らと同じ一族のようで…。
一方ニュースでは新競技「ハイパー・ウラマ」が発表されます。
ドーピング可、人体改造OKというとんでもない競技です。
長栖兄の諒一は、スポーツ用品会社アテネから、ドーピングなしでの参加を表明。
後ほどチーム戦であることが判明し、良一は史奈と容子にチームメンバーになってくれと頼みます。
まとめ
時代が変わっていく中での一族のあり方や未来の不安。
それは史奈が自分の一族の長としての自信のなさ、そしてなりたい将来の姿が見えないという彼女自身との不安ともつながっていきます。
そんな彼女の前に現れるのおは「梟」のライバルとも言える「狗」。
超人的な能力のやりとりにドキドキしつつも興奮してしいまいます。
忍同士の競技対決、一族と史奈の未来が待つ時間が待ちきれなくなる物語です。
<こんな人におすすめ>
特殊な能力を持つ一族の末裔が遺伝子ドーピングにまつわる陰謀に立ち向かう話を読んでみたい
前作『梟の一族』を読んだ
福田 和代のファン
おおっ ハイパー・ウラマに
史奈も参加するのか!!
楽しみすぎるぜ!!そして
狗の一族も手強そうだ!!
ワクワクするぞ〜〜!!
新競技の内容も気になるけれど
一族を襲う病「シラカミ」と
遺伝子ドーピングがどう関係して
くるのかも注目ね。
前作『梟の一族』のイラストブックレビューはこちらからご覧いただけます。
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