『隠れ家の女』ダン・フェスパーマン (著) 集英社文庫
あらすじ
1979年、ベルリン。CIAの末端職員であるへレンは、工作員が使う隠れ家で意味不明な会話を録音してしまう。また別の日には、同じ場所でレイプ現場を目撃し、告発しようとしたが組織を追われることに。35年後、彼女は夫とともに銃殺死体となって発見される。ヘレンの娘・アンナは母が殺された理由と過去の出来事について調べ始める。
きっかけは、冷戦時代のベルリンで交わされた不可解な会話だった
へレンの録音したものは、録られた者にとっては都合の悪いものでした。レイプをしたCIA職員から逃れるへレンの様子と、へレンの死について調べるうちに、彼女のCIA時代の出来事にぶち当たったアンナの調査活動の二本立てで物語は進行していきます。
へレンのベルリンからパリまでの機転を働かせ、仲間の手助けを受けながらの逃走劇には手に汗握ります。現代と過去を行ったり来たりしながら少しずつ明らかになっていく真実に、驚きを隠せません。
まとめ
何重にも張り巡らせた伏線、敵味方の見極め、追っ手との騙し合いと駆け引き。600ページのボリュームを感じさせない、骨太なスパイ小説です。
<こんな人におすすめ>
冷戦下のベルリンと現代アメリカをめぐるミステリーを読んでみたい
冷戦時代のCIAの仕事内容に興味がある
ダン・フェスパーマンのファン
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