こちらはライターの男性が
妻を救うために過去の時代へ
タイムスリップし当時の殺人事件の
真相を探り出すミステリーよ。
タイムスリップか!
SFとミステリーの融合だな。
どの時代で、どんな事件に
挑むんだ?
時は1960年。この年、妻の
祖先である竜泉家で奇妙な
連続殺人事件が起こるのよ。
未来からやってきた男が
どうやって真実を暴くのか。
楽しみだぜ!
『時空旅行者の砂時計』方丈 貴恵 (著)創元推理文庫
あらすじ
マイスター・ホラと名乗る正体不明な人物の声に導かれ、加茂冬馬は1960年の時代へタイムスリップした。
入院中で生死をさまよう妻を助けるためには、この年に起こった彼女の祖先である竜泉家を襲った殺人事件の真実を解明し、阻止しなければならないのだとホラは言う。
竜泉家を襲う奇妙な殺人事件の真相に、加茂はたどりつくことができるのか。
60年前に起こった事件の真相とは
竜泉家の血を継ぐ人間は呪われている。
そんな言い伝えを信じているわけではなかった加茂ですが、竜泉家の末裔にあたる妻の伶奈がICUに運ばれるのを見ながら何もできない自分に肩を落とします。
そんな加茂に一本の電話が。
マイスター・ホラと名乗る声の主は自分は未来を知っており、伶奈を救うためには1960年に起こった「死野の惨劇」の真相を探り、竜泉の呪いを解かなければならないのだと言います。
タイムスリップした加茂が到着したのは1960年8月22日。
その日は竜泉家の長男・瑛太郎と長女の長男・光奇がすでに何者かによって殺害された後でした。
何度も続けてできない、正確な場所に行くことはできない、というタイムスリップの条件があるため、加茂は現場で最初に出会った少女、瑛太郎の娘である文香から探偵と紹介され、一族がいる屋敷に入り事件の捜査を開始します。
まとめ
一家の呪いを解き、妻を救い出すためにタイムスリップをするのはライターの加茂。
彼は1度目にした資料などは忘れないという記憶力の持ち主。
過去の世界で戸惑うこともありつつ、その能力を生かして推理を進めていきます。
タイムスリップの制限、そして時間軸を綿密にとらえ、読者にも充分なヒントが与えられます。
そのトリックも鮮やかで、読者の意表をついた方法にあんぐり。
SFとミステリが絶妙にミックスされ、整然とした謎解きにも深く納得。
現実世界と未来の世界が楽しめ、幾重にもなった仕掛けに思わず唸るミステリーです。
<こんな人におすすめ>
60年前にタイムトラベルをして事件の謎を推理するミステリに興味がある
SFとミステリが融合した物語を読んでみたい
方丈 貴恵のファン
ナニコレ!!スゴイ!!
SFミステリーはウルトラCみたいな
着地点になりそうなものだけど
実に気持ちのよい結末じゃないか!
SFのルールもしっかりと
ありつつ、複雑な人間模様も
絡ませたSFとミステリが
見事に融合されたミステリね。
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