こちらはポイント制を導入する
大学の学生が卒業のために
ポイントを稼ぐことに力を
注いでいく物語よ。
ポイント制?具体的には
どんな風に利用されて
いるんだ?
学内の食堂や家賃の支払い、
さらには単位までもがポイントで
購入できるの。そのポイントを
稼ぐために商売をしたりアプリを
開発したりと学生たちは頭をひねるのよ。
ひええ〜〜 単位までもが
ポイントで買えちゃうわけ!?
なんだかポイント稼ぎに必死に
なっちゃいそうだけど。
『卒業のための犯罪プラン』浅瀬 明 (著)宝島社文庫
あらすじ
大学二年生の降町歩は家庭の事情により、今年度中に卒業せざるを得ない状況になった。
彼の通う「庭大」こと木津川商科大学ではポイント制度が取り入れられており、学内の食堂や家賃の支払い、さらに単位までもがポイントで購入できる。
学生たちはこのポイントを手に入れるため様々な「事業」に取り組む。
歩もポイントを稼ぐために、不正行為によるポイント取得者を摘発する「監査ゼミ」に所属。
ところが調査対象から取引を持ちかけられる。
卒業をかけた「ポイント稼ぎ」の行方は
父が亡くなり、学費の工面が厳しくなったため今年度中に卒業しなければならなくなった歩。
卒業に必要な単位を取得するためにはまとまったポイントが必要となります。
高校時代の先輩である黒河和永から、不正にポイントを稼ぐ者を調べる監査ゼミのバイトを紹介され、早速対象のサークルへ。
数理指南塾という名のサークルは、数学を教える名目でありながらキャバクラのような活動をしているという情報でした。
歩を迎えた派手な印象、熊倉凛子に正体を見破られてしまった歩は、逆に彼女から取引を持ちかけられます。
それは庭大の三賢人と呼ばれるうちの一人、時岡融を陥れるというもの。
迷ったあげく、協力することを決意した歩は凛子とともにポイントを稼ぐための様々なアイデアを出し、実行していきます。
企業も注目するタイムマシンを開発した時岡融、庭大が現在活用しているポイントシステムを作り上げた凄腕の技術者、岩内天音、そのカリスマ性で多くの人間を引き寄せポイント事業を拡大させている渋谷大河。
庭大の三賢人と呼ばれる彼らと交渉や取引をしながら、歩は次第に「稼ぐ」ことの楽しさに気づいていきます。
まとめ
単位までもがポイントで購入可能。
しかもバイトや自分で事業を起こすことで稼ぐことができるという斬新な発想です。
卒業のために仕方なくはじめたポイント稼ぎ。
しかしアイデアを出し、実行し、騙し騙される歩と凛子にハラハラドキドキ。
どのキャラクターも胸に抱えるものがあり、それぞれの言動や行動に説得力があります。
ビジネス、騙し合い、ミステリなど多くの要素が詰まった、最後までページをめくる手が止まらない物語です。
<こんな人におすすめ>
単位までもがポイントで買えるという大学でのポイント稼ぎゲームを描いた話に興味がある
ポイントを稼ぐための事業アイデアの捻出と実行に奔走する大学生の物語を読んでみたい
大学を舞台に繰り広げられるサスペンス小説に興味がある
やる気がなかったように見える
歩がポイント稼ぎの楽しさに
覚醒していくところがいいな。
起業家のガッツをさわやかに
見せてくれる。
稼ぐというところに集中し
アイデアを出し、実行していく。
その成長ぶりを見せてくれる
青春小説でもあるわね。
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