のこ
古い慣習に縛り付けられる
生活だったとしたらどうする?
ぬこ
逃げるな。
自由を愛する俺は縛り付けられるのは
無理だ。
のこ
こちらはそんな環境から逃げ出した
女性と、その娘の姿を描く物語よ。
ぬこ
古い慣習が生きている場所って
今の常識が通用しなさそうだからな。
この女性たちはどうなったんだろう?
『熊金家のひとり娘 』 まさき としか (著) 幻冬舎文庫
あらすじ
北の小さな島で、祈祷の家系に生まれ育った熊谷一子は、自身の成長に恐れを感じていた。共に暮らす祖母と、自身の「血」から逃れるべく島を出た一子。男の子を産めば、この「血」から解放される。しかし一子が産んだのは「女の子」だった。明生と名付け、息子のように育てる一子だが。
代々女が産まれ、女が継いでいく家に生まれ育った一子は両親がおらず、祖母と二人暮らし。神と畏れられる祖母、いずれその後を継ぐことが嫌で、家出同然に島を出ます。やがて結婚し、娘が生まれます。小学生の頃まで男の子として育てられた明生もまた、自分の存在に悩み、苦しみます。
まとめ
一子、娘の明生と愛子。三人の女性はそれぞれに自身の血や存在に縛られています。それでも無意識のうちに求め、惹かれてしまうのが母娘の絆であるのかもしれません。
<こんな人におすすめ>
母娘の確執、愛について描かれた話を読みたい
何かに縛られ、苦しむ人間たちの話に興味がある
まさき としかのファン
リンク
ぬこ
苦しいなあ。母娘の関係が随分
歪んでしまったみたいだ。
のこ
深く根付いた因習の呪いは
なかなか逃れることが
できないものなのかもしれないわね。
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コメント