こちらは死神の仕事ぶりを
描いた物語よ。
うえっ 死神!?
ということは、死ぬ人間が
出てくるということか?
そうね。死ぬ予定の人間に
つきそう死神の姿と、
人間たちのドラマが展開していくの。
そうだよなあ。生きてきた人間たちも
いろいろあるだろうな。
そして死神の仕事ぶりというのも
気になるな。
『死神の精度』 伊坂 幸太郎 (著) 文春文庫
あらすじ
死神の仕事は、対象者を1週間調査すること。
その結果が「可」であれば担当部署へ報告し、八日目に対象者に何らかの形で死が訪れる。
その死を見守り、任務終了。
仕事の時はいつも天気が悪くなる、クールでちょっと奇妙な死神・千葉は様々な対象者と関わり、調査を行う。
雨男の死神・千葉は、1人の女性の調査をはじめます。
何気ない様子で近づき、聞き出したのは、彼女は大手電機メーカーに勤め、苦情処理を担当しているということ。
見た目も地味でパッとせず、これといった楽しみもない。
最近ではストーカーのような客から指名を受け、おかしなことを要求され、「明日にでも死んじゃいたい」とつぶやく彼女に「その願いは叶う」と心の中でそっと死神はつぶやくのですが…。
まとめ
痛みを感じることなく、味も感じない。
人間の常識や考え方にもピンとこない、死神の千葉と対象者たちのやりとりはどこかズレていてユーモアが漂います。
そんな中で、対象者たちが自身ではわかっていないのですが、やがてやってくる死を前に愛に気づいたり、誤解がとけたりと、その喜びにはどこかせつなさや哀しみをまとっています。
クールで奇妙な、千葉のような死神が自分を迎えに来たら…。案外安らかに逝けそうにも感じる物語です。
<こんな人におすすめ>
死神の仕事ぶりを描いた話に興味がある
死神が身近に現れた人間がどのようになるのか知りたい
伊坂 幸太郎のファン
え ちょっと待って。
「音楽聞いてる」「感覚がずれてる」とか
身の回りにいそうなんだけど…(・・;)
仕事の内容もユニークだし、
対象者とちょっぴり心を交わしたりと
何だか親しみを感じる死神の物語ね。
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