こちらは小狐や山姥が登場する
日本の昔話ファンタジーよ。
へえ〜。昔話かあ。
寝る前に親が話してくれる
ような、アレね。
そうなの。ある「草」が小狐に
せがまれていろんな話をするうちに
自分の存在を思い出していくの。
おお〜 「草」とはどんな
存在だったのか!?気になるぜ。
『雲上雲下』 朝井まかて (著) 徳間文庫
あらすじ
昔むかし。深い山中にぽっかりと、袋の口を開いたかのような草原に、一本の名もなき草がいた。
ある日、一匹の小狐がやってきて「草どん、お話してくれろ」とせがむ。
山姥、団子ころころ、お経を読む猫、そして龍の子、小太郎、草どんは語るうちに、自分がどんな存在であるか、かつて何をしていたかを思い出す。
ごくまれに山姥や天狗がやってくるような深い山の奥に、緑に繁り、幅は一抱えもある大きな木のような葉がいました。
あるとき、一匹の生意気な小狐が迷い込み、「草どん」となれなれしく話しかけ、お話しして、とせがみます。
促されて口からするりと出てきたのは「とんと昔の、さる昔」。
転がる団子の話に、和尚さんの真似をして猫たちを相手にお経をあげる猫など、どこか懐かしく、わくわくしたり切なくなるような民話を草どんは語ります。
そして、なぜ自分はこのような話を知っているのか、かつて自分はどこで何をしていたのかを少しずつ思い出していくのです。
まとめ
前半はなんとも心の和む草どんと小狐の交流、そして郷愁を感じる昔話の数々。
後半では草どんの記憶から、かつて何をしていたのかということが明らかになります。
人々の心のよりしろとなる民話の役割の大切さに改めて気付かされ、大切に次世代へと繋いでいきたい、と感じる物語です。
<こんな人におすすめ>
昔話に興味がある
日本人としての感性の奥に響くような物語を読みたい
朝井まかてのファン
胸の奥がじーんとする…!!
昔話が人々にもたらす役割は
大切よね。大事に語り継いて
いきたいものね。
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