こちらは『江戸菓子舗照月堂』シリーズ
第3弾よ。厨房入りを許されたなつめが
餡づくりを学び始めるの。
おっ いよいよなつめが
菓子職人としての
一歩を踏み出したんだな。
ただ、大店の氷川屋が照月堂に
危機感を覚え、あれこれと妨害を
しかけてくるの。
むう。大店が相手か。
照月堂はこのピンチをどうやって
切り抜けるのか。
『親子たい焼き 江戸菓子舗照月堂』
篠綾子 (著) 時代小説文庫
あらすじ
江戸は駒込の菓子舗、照月堂の職人見習いとして、厨房入りを許されたなつめ。
主の久兵衛から教わった心構えは「誰しも己の才能を乏しいと感じる時が来る。だがそれを理由にたやすく道を離れるな」というものだった。
その教えを胸に、餡づくりを一から学び始める。
一方、大店氷川屋の主人・勘右衛門は久兵衛の腕の良さに危機感を抱き…。
いよいよ厨房入りとなったなつめは、見た目と感触から餡づくりを身につけるべく熱心に取り組みます。
主の息子、亀次郎が描いた図をもとに型を作り、売り出した「たい焼き」は、歌人の露寒軒が作ってくれた唄のおかげもあり、評判を呼びます。
これに危機を感じる大店、氷川屋の主人は照月堂の内部を探ろうと画策しますが…。
まとめ
のれん分けして店を出す準備をしている辰五郎が出す菓子との兼ね合い、氷川屋の娘しのぶとなつめの友情。
複雑に絡んだ糸をほどくのは相手を思う心。
その人情と、心をほぐす菓子の美味さに満たされる物語です。
<こんな人におすすめ>
江戸の小さな和菓子屋が人気菓子を生み出す様子を描いた話に興味がある
女の菓子職人がいない時代に菓子作りに奮闘する少女を描いた話を読んでみたい
篠綾子のファン
照月堂は主人をはじめ
みんないい人たちだな。
こんな人たちと仕事ができる
なつめは幸せ者だなあ。
商売の世界だから厳しいことも
あるけれど、やはり「おいしいものを
食べてもらいたい」という作り手の誠意が
お客に伝わるかが大切なのよね。
本やイラストレビューが気に入っていただけたらポチッとお願いします。