こちらは作家や編集者など
出版業界を描く連作短編集よ。
出版業界かあ。
今は作家も編集者も
大変なんだろうなあ。
そうね。売れない作家につきまとわれる
編集者など、彼らの悩みは尽きないようよ。
あらら… ありそうな話だけど
実際あったら怖いよなあ(^_^;)
『作家の人たち』 倉知淳 (著) 幻冬舎文庫
あらすじ
文学賞のパーティー会場で顔を合わせた、大手出版社の編集者たち。
誰もが沈んだ上場を浮かべているのは、ある中堅作家によるつきまといが原因だった(「押し売り作家」)。
ベテラン作家は原稿の〆切を一本忘れていたことに気づいた。
これまで〆切を守らなかったことなど一度もない。
そんな作家の目の前に悪魔が現れた。本に関わる願いなら無償で叶えてやる、という悪魔に〆切をのばしてほしい、と作家が伝えると…(「悪魔のささやき」)。
出版業界の悲喜こもごもを描く連作短編集。
大物作家の紹介で、ある中堅作家と会うことになった編集者。
用件は小説の「持ち込み」で、ぜひ出版して欲しい、と作家は言います。
売り上げも今ひとつ、正直出版は無理だと考える編集者は何かと断ろうとしますが、押し切られ、ひとまず原稿を預かることに。
その後、作家から頻繁に連絡が入るようになるのです。
同じ目に遭っている編集者が何人もいるようで、彼らは文学賞パーティーの場でその苦労を語り合うのですが…。
まとめ
売れない作家の粘着質な売り込み、作家として願うのは売れることか、評価されることか。
編集者の制止を振り切り、会社を辞めて作家業に専念した男。
様々な出版事情をテーマに描かれた作品たちはユーモアを含みつつ、背筋がぞわりとするものも。
世の中の作家さんたちは大丈夫なのかと少々心配にもなる物語です。
<こんな人におすすめ>
出版業界のあれこれを描いた話に興味がある
作家や編集者の悩みや戸惑い、喜びを描いた話を読んでみたい
倉知淳のファン
えっ そういうオチ!?Σ(oдΟ;)
出版界のリアルを垣間見る
ことができる、ちょっと背筋が
寒くなる短編集ね。
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