こちらは引きこもってしまった
ホテル支配人の娘のために
七人の芸術家たちが
物語を作っていく物語よ。
へえ〜 芸術家たちがねえ。
個性豊かな話になりそう。
たとえばどんな?
SFや文学、現実と虚実の
世界が曖昧なものなど
ジャンルも多彩なのよ。
そりゃおもしろそうだな。
芸術家たちが支配人の娘のために
考えた話…。気になるぜ!!
『ホテル・アルカディア』石川 宗生 (著) 集英社文庫
あらすじ
ホテル・アルカディアの支配人の娘が敷地にあるコテージに引きこもってしまった。
ホテルに滞在していた7人の芸術家たちは彼女のために物語を作る。
幻想的で現実的、SFなのか文学なのか…。
未知の世界が広がっていく物語。
7人の芸術家たちによる21の物語
大学でホテル経営学を学んでいた支配人の一人娘・プルデンシアが突然帰ってきました。
彼女は言葉を話せなくなっており、暗い表情や泣き顔を周囲に見せ、やがて敷地のはずれにあるコオテージに閉じこもってしまいました。
支配人がドアの外からあれこれ話しかけても出てくる気配はありません。
ホテルに投宿していた7人の芸術家たちは、娘のことをあれこれと噂し、彼女をテーマに絵や音楽、複合的なアート作品を生み出します。
そして彼女のために、それぞれが物語を作り聞かせることに。
7人の芸術家が七つの世界を作り、その中で進んでいく物語。
体から無数に現れる動物たちによる戦い、本の挿絵が我が家にやって来たために起こるトラブルと新たに得た力、人間という小宇宙をめぐる旅の結末、破壊された町の地下でひっそりと生きる少女の決意、人と人をつなぐ運命の五色の糸、雲をも突き抜けるほど超高い街の探検…。
どこまでも広がりを見せながらも世界はどこかでつながっています。
まとめ
ファンタジー、SF、文学、そして耳に残る音や文章のリズム。
不思議で奇妙な21の物語は、7つの世界ごとに独立しているようで、また絡み合っているようでもあります。
芸術家たちが登場する物語もあり、ひょっとして現実なのか?と思ってしまう話も。
そんな創作の世界との世界の境界線が曖昧な、むしろないと言ってもいいような不思議な構成です。
難しいことは考えず物語をじっくりと、どっぷりと楽しみたい方におすすめの物語です。
<こんな人におすすめ>
7人の芸術家たちが『ホテル・アルカディアの伝説』をテーマに描いた物語を読んでみたい
リズム感のある言葉、幻想的であり現実的など様々なジャンルで魅力溢れる話に興味がある
石川 宗生のファン
なんとも不思議な物語だなあ。
千夜一夜物語みたい。
何度も読み返したくなるような
クセになる感じだ。
物語の自由さ、不思議さ、
広がっていき協会が曖昧に
なる感じなどを味わえる、
「物語」をとことん楽しみたい
人におすすめのお話ね。
本やイラストレビューが気に入っていただけたらポチッとお願いします。