こちらは女子大学生が
レポートを書くためにやってきた
街で起こる事件の謎に挑むミステリーよ。
へえ〜 どんな謎が?
見知らぬ女性が電話中
「ネズミの靴も忘れないで持ってきて」
と話しているのを耳にするの。
気になった彼女は推理を働かせ、
推理が得意な教授にも相談するのよ。
ネズミの靴!?
そりゃいきなり掴まれたな。
気になるぜ〜〜!!
『矢上教授の夏休み』 森谷明子 (著) 祥伝社文庫
あらすじ
東京から二時間足らず、十二支を祀った神社にぐるりと囲まれた街、こぶし野。
この街をテーマにレポートを作成しようとやってきた大学生の咲。
母の従兄の種田夫婦の家で世話になることに。
しかし、駅のベンチでうたた寝をしてしまった咲は、不思議な言葉を耳にする。
咲の近くで電話で話していた女性は「ネズミの靴も忘れないで持って来てよ」と言いたのだ。はて、ネズミの靴とは一体…?
「ネズミの靴」を用意する?
ドールハウスのネズミの人形の靴?
それともペットのハムスターか何か?
あれこれと推理してみる咲ですが、なかなかしっくりいく答えが出ません。
そこで好奇心旺盛で優れた洞察力を持つ恩師の矢上教授へメールで事情を伝えます。
すると矢上教授から帰って来た答えは、「ネズミの靴」の女性の服装と持ち物をくわしく教えて欲しい、とのこと。
その情報から矢上教授が導き出した答えとは。
ネズミからはじまり、干支をテーマに街の成り立ちや歴史、それらにまつわる謎が起こり、中盤ではこぶし野に深い関わりを持つ人間が東京の自宅マンションで殺害される、という事件も発生します。
これらの謎についてやりとりをしていた矢上教授がこぶし野へと直接やってきます。事件の犯人とは一体。
まとめ
日常のちょっとした謎から、街を大きくとりまくような出来事まで、だんだんと話が大きく広がりつつ、結末へと着実に向かっていきます。
穏やかなコージーミステリと思いきや、街の歴史や人々の在り方までもを描く、お楽しみ感たっぷりのミステリーです。
<こんな人におすすめ>
コージーミステリーが好き
街の歴史の謎とからんだ事件を描いた話に興味がある
森谷明子のファン
ややや ネズミの靴からはじまって
だんだん規模が大きくなっていくぞ!
干支と絡めた謎、という構成もおもしろい
ミステリーね。
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