小説・人文

イラストブックレビュー

「人」と「家族」の距離って難しい

『その愛の程度』 小野寺 史宜 (著) のイラストブックレビューです。ある出来事をきっかけに、血の繋がらない娘や妻との関係が冷え込んでしまった豊永守彦。家を出て一人で暮らしはじめ、変わり者の後輩や喫茶店で働くシングルマザーとのやりとりの中から、娘と妻に対する自分の本当の気持ちに気づいていく。
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ヤバい人たちが作り出すカオスは強力な引力がある

『私が失敗した理由は』 真梨 幸子 (著) のイラストブックレビューです。成功するには失敗しないことが大切。そう思っていても、なかなか「成功」とは言えない日々を過ごしている落合美緒。ある夜、コンビニで勤務先の同僚と偶然会う。その同僚は隣人一家四人を殺害した容疑で連行される。他人の「失敗」に、心をときめかせる美緒だったが。
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アルコールとウイットの効いた世界へようこそ

『ショートショートBAR』田丸 雅智 (著)のイラストブックレビューです。悩みを抱えた客が行きつけのバーを訪れると、マスターからあるお酒をすすめられた。そのお酒のアルコール度数は見たこともない数値で…。(「マイナ酒」)読者を5分間の小旅行へと誘う、21編を収めたショートショート集。
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やわらかく、あたたかな目線で綴られる猫エッセイ

『今日も一日きみを見てた』角田 光代 (著)のイラストブックレビューです。サイバラ家で生まれ、生後3ヶ月でやってきたアメリカンショートヘアのトトは、粘り強く慎重派で、運動音痴。猫にはなじみがなかった著者が、猫と暮らすことで感じる喜びを瑞々しい筆致で綴る珠玉の猫エッセイ。
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新しく何かをはじめたくなってくる、ワクワクの物語

『幹事のアッコちゃん』 柚木 麻子 (著)のイラストブックレビューです。妙に冷めている若手男性社員に自分が企画した忘年会に4日間参加させ、仕事に行き詰まりプライベートでも心配事を抱える「永遠の部下」澤田美智子には自分の習い事に5日間付き合わせる。今日も頼れるアッコちゃんは皆によりよく生きるヒントを与え続ける。
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人と人がやさしく、ゆるやかにつながる都会の夜

『おやすみ、東京』 吉田 篤弘 (著)のイラストブックレビューです。映画会社で小道具の調達をしているミツキは、深夜に「果物のびわ」を朝九時までに探すように言われ、夜のタクシー「ブラックバード」の運転手、松井に協力を求め、夜の街を探し回る。
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煌びやかなショーや会見の舞台裏

『東京會舘とわたし 下 新館 』辻村 深月 (著)のイラストブックレビューです。東京會舘は、井上靖や三島由紀夫らの小説に描かれ、越路吹雪は多忙ながらも會舘でのショーには出演していた。70年代はじめに改装、平成では震災の夜、帰れない人々を受け入れた。その翌年には、万感の思いで直木賞受賞会見に臨む作家がいた。
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溢れる才能とロック魂を持つ少女が進む道とは

『疾風ガール』誉田 哲也 (著) のイラストブックレビューです。アマチュアロックバンド「ペルソナ・パラノイア」のギタリスト、柏木夏美・19歳。人目を惹くルックスと、天才的なギターの腕前を持つ。バンドの人気も絶頂となっていたある日、ボーカルの城戸薫が自殺。なつみは本当の薫を見つけるために旅に出る。
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陸軍特技兵=コックは戦闘と炊事、謎解きもこなす

『戦場のコックたち』深緑 野分 (著)のイラストブックレビューです。1944年の初夏、合衆国陸軍の特技兵(コック)で19歳のティムは、ノルマンディー降下作戦で初陣を果たす。戦闘に向かい、炊事もこなすティムの周辺にちょっとした謎が起こる。個性豊かな仲間たちと協力しながら戦場へ向かい、そして謎を解く。
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東京會舘から見る 大正、昭和の時代

『東京會舘とわたし 上 旧館』辻村 深月 (著)のイラストブックレビューです。大正11年、社交の殿堂として丸の内に創業した東京會舘。戦前のクラシック演奏会、戦中の結婚披露宴、戦後に開発されたオリジナルカクテル、クッキングスクールの開校。震災やGHQの接収などの荒波を経て、東京會舘へ訪れた人々とそこで働く人々の姿を描く。