のこ
こちらは愛や家族、
その関係や距離を描く物語よ。
ぬこ
「家族」ね。
どんな登場人物が出てくるんだ?
のこ
娘がいる母親と結婚した男性が
主人公よ。ある出来事がきっかけで
妻や娘と距離ができてしまうの。
ぬこ
なるほどね。確かに距離の
置き方は難しいだろうけど…。
主人公はどうなるんだろう?
『その愛の程度』 小野寺 史宜 (著) 講談社文庫
あらすじ
ある出来事をきっかけに、血の繋がらない娘や妻との関係が冷え込んでしまった豊永守彦。
家を出て一人で暮らしはじめ、変わり者の後輩や喫茶店で働くシングルマザーとのやりとりの中から、娘と妻に対する自分の本当の気持ちに気づいていく。
妻が店長を務めるカフェの従業員らと川遊びに来た森彦。
川でおぼれそうになった娘とその友達を助けに飛び込んだが、娘と思って助けたのは友達のほうだったのです。
娘は守彦と口をきかなくなり、仕方なく別居することに。
日々のランチで後輩の恋愛進捗を聞き、助けた方の女の子の母親の家に何度か訪問したりしていくうちに、娘に近づこうとせず、見ているだけだった自分に気づきます。
まとめ
外側を気にしないふりをして中に近づきすぎない。
他人では良い関係にもなり得るけれど、家族に対しては足りないこともあるのです。
人や家族との距離は難しいけれど、だからこそ通い合う幸福は大きいのかなと感じる物語です。
<こんな人におすすめ>
人との間合いを詰めるのが苦手
愛し方が不器用な男性を描いた話に興味がある
小野寺 史宜のファン
リンク
ぬこ
家族の距離って近づきすぎても
遠すぎても良くないことが
あるんだよな。やはり難しい。
のこ
そうして苦労した分
得る喜びも大きいのかも
しれないわね。
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