こちらは殺したはずの夫が
帰ってきたという
ミステリーよ。
なんとびっくり!!
夫は妻に復讐しに戻ってきたのか?
ところが、夫は記憶を失っていて
なおかつ妻とやり直したい、と
言っているの。
殺されたことも記憶にないのか?
いったい二人の間に何が
起こったんだ?
『殺した夫が帰ってきました』
桜井 美奈 (著) 小学館文庫
あらすじ
都内のアパレルメーカーに勤務する、二十八歳の鈴倉茉菜は、取引先の穂高に言い寄られ困っていた。
ついに自宅までも突き止められ、穂高に家の前で待ち伏せされ、家の中に入ろうとする穂高ともめていたところ、一人の男性が現れた。
それは茉菜がかつて崖から突き落として殺した夫・和希だった…。
茉菜を穂高から救い出した和希は、しばらく入院していたこと、記憶がないことを告げます。
役所で調べて茉菜を探し、そして茉菜との復縁を望んでいるのだと言います。
穂高の件もあるため、しばらく同居することを了承した茉菜は、以前の和希との違いに驚きつつ、その同居生活を案外楽しんでいる自分に気づきます。
そんな中、茉菜に1本の電話が。
それは警察からで、夫・鈴倉和希の白骨化した遺体が発見された、という知らせでした。
では、私と一緒に暮らしている、夫を名乗る男性はいったい誰なのでしょうか。
まとめ
恵まれているとは言えない環境で育った二人の女性。互いの過去や夢、現在の状況を語り合います。
そんな二人に何が起こったのか、そして和希の正体は。
見事な構成の裏には、愛や「普通」の暮らしを望む、切なく悲しい主人公の思いが、読者の心に染み込んでいきます。
失うことで手に入るものがある。そんなことを感じる、深い余韻を残す物語です。
<こんな人におすすめ>
殺した夫が目の前に表れるというミステリーに興味がある
孤独な女性の心情を細やかに描いた話を読みたい
桜井 美奈のファン
ドロドロのサスペンス
ミステリーと思いきや
悲しくも切ない物語…。゚(゚´Д`゚)゚。
シンプルながら読みやすい、
とても美しい文章よ。
読後に深い余韻を残す物語ね。
本やイラストレビューが気に入っていただけたらポチッとお願いします。