小説・人文

イラストブックレビュー

沈み込むような夜の闇に灯るやさしい灯り

『明るい夜に出かけて』 佐藤 多佳子 (著)のイラストブックレビューです。ある事件がきっかけで大学を休学し、家を出てアルバイトをしながら一人暮らしをすることになった富山。バイトリーダーの鹿沢、富山と同じくラジオ好きの女子高校生・佐古田、旧友の永川らと交流するうちに、周囲の世界が色彩を帯びていく。
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ほんとうのキミに合える場所

『よるのばけもの』 住野よる (著)のイラストブックレビューです。高校三年生の僕は、夜になると化け物になる。黒い粒のかたまりから成る体は大きさや形を自由に変え、頭部にはギョロリとむいた八つの目玉がついている。ある夜、化け物の姿で学校の教室に行くと、そこにはクラスメイトの矢野さつきがいて、化け物の姿の僕に話しかけてきた。
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究極の二択の中で親が息子に望むこととは

『望み』雫井 脩介 (著)のイラストブックレビューです。埼玉で建築設計事務所を営む一登。ある日、息子の規士が帰宅せず、連絡が取れなくなる。警察に相談したが、他にも規士の友人で行方不明の者がおり、死体として発見された者も。規士は事件の加害者なのか、それとも被害者なのか。
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価値観の奥にある「自分自身」を確立させること

『あのこは貴族』山内 マリコ (著)のイラストブックレビューです。松濤で整形外科医院を営む家の三姉妹の末っ子として育てられてきた華子。女子校育ちの箱入り娘で、相手に尽くしすぎてしまうせいか、交際相手とも長続きしない、焦って婚活に取り組み、ようやく理想の相手「青木幸一郎」と出会う。
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美しい裸体以上のものを観客に与えるストリッパー

『裸の華』 桜木 紫乃 (著) のイラストブックレビューです。四十歳のノリカはストリッパーとして活躍していたが、公演中に左脚を骨折し、引退を決意する。札幌すすきのにダンスを売りにした店を開く。二人の若いダンサーを育て、腕の良いバーテンダーもいるノリカの店は次第に起動に乗りはじめるのだが…。
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お客様の人生の歩みとともに自分のキャリアを重ねていく

『上流階級 富久丸百貨店外商部 (3) 』 高殿 円 (著)のイラストブックレビューです。神戸の老舗デパート、富久丸百貨店芦屋店の外商員、鮫島静緒、39歳。外商部期待の若手、桝家修平との同居生活は二年近くにもなり、家族のような居心地の良さを感じている。様々な目的や問題を抱える顧客相手に奔走する毎日だが…。
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読み終わると「誰かの役に立ちたい」と思う物語

『ひかりの魔女 にゅうめんの巻』 山本 甲士 (著)のイラストブックレビューです。料理が上手、武道の使い手、人をいい気持ちにさせる名人の、スーパーおばあちゃんことひかりばあちゃんが活躍するシリーズ第2弾。、崖っぷちの人々の前に現れ、その料理や人脈を使って、彼らを笑顔に変えていく。
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補欠だからこそ見えることとできること

『ホケツ! 』 小野寺史宜 (著)のイラストブックレビューです。母を亡くし、伯母と同居している高校三年生の宮島大地、引退を控えたサッカー部ではいつも補欠。メンバーの手助けをしたりするのは楽しいが、伯母には「レギュラーだ」と嘘をついていた。進路に悩んでいるとき、十二年前に家を出た父親から突然連絡が入り、伯母とともに会うことになるのだが。
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猫が残していった爪痕がいつまでも心に残る

『猫鳴り』 沼田 まほかる (著)のイラストブックレビューです。結婚十七年、ようやく授かった子供を流産し、哀しみの中で日々を過ごしていた信枝と夫の藤治。家のそばに現れた子猫はモンという名前をつけられ、夫婦に育てられた。不思議な存在感を持つモンが、その生涯を終えるまでの人間との関わりを描く。
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愛だけでは生きられない 猫と人間のリアルな関係

『虹猫喫茶店』 坂井希久子 (著) のイラストブックレビューです。一浪して受けた本命の大学の医学部が不合格となり、しぶしぶ受けた獣医大学に合格、入学した僕。友達もできず、ヒマを持て余し、目についた「猫の世話をするだけの簡単なお仕事」というバイトをすることになったのだが…。