文春文庫

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ひと目でわかる!イラストブックレビュー
『いけない』道尾 秀介 (著) 文春文庫

海岸線に沿った白蝦蟇シーラインを南下するときに、左手に現れる弓投げの崖を、決して見てはいけない。この場所で、衝突事故が起こる。事故の当事者たち、その関係者や家族、刑事たちの思惑が絡まりあう。また、少年が目撃した文房具店での出来事の真相、新人刑事が見つけ出そうとした殺人事件の犯人。全てがつながりを見せながら驚愕のラストへとつながっていく。
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ひと目でわかる!イラストブックレビュー
『自転車泥棒』呉 明益 (著)

無口な父は自転車とともに失踪した。その自転車が、二十年もの年月を経て僕の目の前に戻ってきた。小説家でもあり、古い自転車のコレクターでもあるぼくは、この自転車の来し方に興味を持ち調べていくうちに、物語は国や時を超えて広がっていく。
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近くに大切な人がいることに気づくのは極上の幸せである

作家として仕事を続け、そこそこ売れるようになった50歳の正吉は、一軒家でほぼひきこもりの生活をしている。その家に突然、生まれてから一度も会ったことのない25歳の息子・永原智がやってきた。世間知らずの父親と、明るくて要領が良い息子の、奇妙な同居生活が始まる。
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密室のあるところに密室蒐集家の姿あり

鍵がかかった音楽室からこつぜんと姿を消した射殺犯、警察が監視する家で発見された高校生の男女の死体。密室のある事件が起こると、どこからともなく現れる「密室蒐集家」が、鮮やかにその謎を解いていく。
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日常に潜む違和感をあたたかなものに変えていく物語

駐車場にやってくる地域猫に餌をあげていた布団屋の民子。入院するが、その間ふぐ料理屋のおかみが民子のかわりに猫へ餌をあげているらしい。やがて、夫が体調を崩し、猫の姿は見えなくなり…(「駐車場のねこ」)ほか日常の一コマから生じる違和感を描きだす、心あたたまる短編集。
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高額報酬アルバイトの内容は…デスゲーム!?

時給十一万二千円。作業内容は人文科学的実験の被験者。破格の時給に惹かれて応募し、採用された十二人の男女。「暗鬼館」なる地下施設に案内された彼らが説明された実験内容。それは多くの報酬を獲得するために、参加者同士が殺し合う殺人ゲームだった。
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どんな時も 音楽が光を与え、渇きを癒してくれた

日本を離れ東ドイツへピアノ留学をした眞山柊史個性豊かな音楽の才能を持つ学生たちと接し、自分の音楽性を見失いそうになり、必死にあがいていた。そんな時、教会で耳にしたオルガン奏者に心を奪われる。美貌のオルガン奏者、クリスタは国家保安省(シュタージ)の監視対象だった。
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大阪の人情とユーモアに包まれたあたたかな青春物語

大阪の超庶民的な中華料理店、戸村飯店の二人の息子たち。兄のヘイスケは見た目も要領も良く、弟のコウスケはボケが上手で単純だ。高校を卒業後、東京へ行ったヘイスケ。そして高校三年生となったコウスケ。離れた場所で過ごす二人は、改めて自分自身を見つめ直し、自分の進むべき道を見出していく。
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麻之助のもとへ波乱とともにやってくる新しい流れとは

町名主の跡取り息子・麻之助のもとに、今日も揉め事が持ちこまれる。悪友であり、親の跡を継ぎ町名主となった清十郎には元気な赤子が生まれ、麻之助の亡き妻・お寿々の縁者であるおこ乃の縁談がまとまった。そんな中、周囲の者達が麻之助の縁談を見る、と言い出す。
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幾重にも重なった善意の層が真実への道を遠ざける

静岡のゴミ屋敷で暮らす老女宅で火災が発生。焼け跡からは、老女ともう一人の若い女性の遺体が発見された。逮捕された男は23年前の少女殺害事件でも逮捕されたが無罪となっていた。そして今回の事件でも釈放される。町で行われる一大イベントのパレードの当日、この男が殺害された。