
こちらは昔の恋人の幼い頃の
記憶を取り戻すために
山の中に建つ小さな家へと
向かうお話よ。

へえ〜。幼い頃の記憶がないなんて
何か恐ろしいことや辛いことが
起こったりしたのかな。

彼女は小学生になる前の記憶が
ないそうなの。今の生活に問題を
抱えていて、その幼い頃の出来事に
原因があるのではないかと
考えているのよ。

なるほどねえ。その原因てのが
見つかるといいけど。
とはいえ明らかになるのも
何だか怖い感じもするが…。
『むかし僕が死んだ家』東野 圭吾 (著)講談社文庫
あらすじ
元恋人である沙也加からの相談を受け、幼い頃を何ひとつ覚えていないという彼女の記憶を取り戻すため、一緒に山中に建つ小さな家へ向かった理学部研究助手の私。
同時刻で止まった時計、そしてここに住んでいたらしき少年の日記。
この家で起こった出来事と沙也加の関わりとはどんなものだったのか。
失われた記憶を取り戻すために山中の家へ
父親の遺品である鍵と、一緒に残された地図のある場所へ一緒に行ってくれないか。
元恋人の沙也加から私は相談を受けます。
彼女には幼い娘が一人いて、現在は夫の親に預けており、また夫は海外転勤で不在。
さらに小学校入学以前の記憶を一切持たない沙也加が、その記憶を取り戻す鍵がそこにあるのではないかと言います。
協力することにした私は残された地図をもとに山の奥深くに建つ白い小さな家へ沙也加と二人で訪れます。
電気や水道は通っておらず、家の中にある時計は全て同じ時刻で止まっています。
子供部屋で発見されたのは一冊の日記帳。
この部屋の主は御厨佑介という小学六年生で、並ぶ本や問題集を見ると優秀な少年だったようです。
日記には父親が体調を崩し、ついに亡くなってしまうこと、そしてその後「あいつ」と呼ばれる人物がやってきた、と書かれていました。
酒を飲み暴力を振るう「あいつ」の所業に耐えかねて出て行こうと決意する佑介少年。
また日記には家政婦らしき「おたいさん」と彼女の小さな娘「沙也加」のことにも触れていました。
母である「おたいさん」の描写に僅かな違和感を覚える沙也加。
そして天気が荒れてきた夜、沙也加は何かを思い出したようでピアノを指差し「この下に隠れたのよ」と…。
まとめ
小学生になる前の記憶が一切ないという沙也加は、彼女自身ある問題を抱えていました。
その原因は失った記憶の中に潜んでいるのではないか。
そう考える彼女に協力することにした私。
家具や衣類など人が暮らせるように整えられてはいるものの、電気も水道も通っておらず人が生活していた気配が感じられない奇妙な家。
そして全て同じ時間で止まっている家中の時計にはどんな意味が隠されているのか。
少年の日記を元に少しずつ明らかになっていくこの家での出来事と沙也加の記憶に緊張感が漂い、手に汗を握ります。
そして迎える衝撃の真相とほろ苦い結末に、彼らのこれからの人生を思わずにはいられない、深い余韻を残す物語です。
<こんな人におすすめ>
元恋人の失われた過去の記憶を取り戻すためにある家に訪れる二人の物語に興味がある
記憶が戻っていく緊迫感と不穏な空気、そして衝撃の展開が繰り広げられるミステリを読みたい
東野 圭吾のファン


おお… 東野圭吾っぽいお話…。
彼女の人生には多くの大人の
思惑が潜んでいたんだな。

思い出すことが良かったのか
そうではなかったのか。
でも彼女が次の道に進むために
必要なことだったのかも
しれないわね。
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