こちらは『ガリレオ』シリーズの
第10弾よ。南房総沖で銃殺死体が
発見され、同居人の女性は行方不明に。
捜査担当の草薙は意外な形で湯川の
名前を目にするの。
へえ?事件の関係者と湯川に
どこか繋がりがあったとか?
同居人の母親が慕っていた
絵本作家の女性が湯川とメールで
やりとりしていた事実が判明。
そこで草薙は湯川に事件の調査の
協力を頼むの。
不思議なつながりがあるものだな。
今回も湯川が鋭い推理で
ズバッと解決してくれるんだろうか?
『透明な螺旋』東野 圭吾(著)文春文庫
あらすじ
南房総沖で銃殺された男性の遺体が発見された。
行方不明届を出していた同居人の女性は姿を消し連絡がつかない。
捜査を担当した草薙と内海は思いがけない形で湯川の名前に行きつく。
協力を求めるために湯川が現在暮らしている横須賀のマンションをたずねた草薙は、彼の意外な姿を目にする。
遺体の同居人の女性が行方不明な理由とは
遺体は上辻亮太という男性で、同居している女性の島内園香から行方不明届けが出されていました。
園香の住所をたずねても姿は見えず連絡も取れません。
彼女が勤めていた花屋に向かうと、店長からの話では園香から突然休職したいという電話を受けたとのこと。
事情をたずねても個人的な理由だから、と話してくれなかったのだとか。
また1カ月くらい前に園香をたずねてきた年寄りの女性がいたという話を聞き、内海薫はこのことを記憶に留めます。
また、高校時代からの友人だという岡谷真紀の話では、園香は彼氏からDVを受けていたようです。
また、園香が心を許しており、亡くなった母親が慕っていたという、絵本作家のナエという人物がいたことを知り薫はその人物を探します。
出版社経由でナエに連絡を取ろうとしますが現在旅行中との返事が。
ナエが手がけた絵本をめくってみると、何と参考文献に湯川の名前を発見。
草薙は現在横須賀のマンションで暮らしている彼のもとをたずねます。
湯川は老いた父親とともに、認知症が進行している母親の介護をしていたのでした。
そんな湯川の姿を意外に思いつつ、草薙は事件の内容を湯川に説明し、ナエとのやりとりをしたメールを送ってほしいこと、そして事件解決のためにあることについって協力してくれと頼むのですが。
まとめ
DVをしていた同居人の男性が銃殺死体で発見されます。
真面目で大人しい同居相手の女性は行方がわからなくなっていますが、彼女の周囲には絵本作家の女性や身ぎれいな老女などの姿がちらつきます。
彼女たちはどのようなつながりを持ち、何の目的で姿を消しているのか。
また湯川と絵本作家にも何かしら関係がある様子。
これまと違い家族についての思いを素直に出す湯川の隠された意外な過去が明らかに。
孤独と家族を求める愛が切なく胸に迫るガリレオシリーズ第10弾です。
<こんな人におすすめ>
親子の絆やつながりをテーマにしたミステリを読んでみたい
ガリレオシリーズのファン
東野 圭吾のファン
確かに家族のことを大事にしたり
話したりする湯川の姿は意外に
感じる。そんな過去があったなら
なるほど納得がいくな。
親子の絆や、大切な人を
守ろうとする心がせつない
結果を招くミステリーね。
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