こちらは前作『シャルロットの憂鬱』に
続く第二弾よ。警察犬を引退した
ジャーマンシェパードのシャルロットと
飼い主が出会う謎を解いていくミステリーよ。
元警察犬だけどシャルロットは
結構お茶目なところがあるよな。
今回はどんな謎に遭遇するんだ?
飼い主の真澄は迷子の
トイプードルを保護するの。
飼い主は見つかったけれど
そのやりとりの中で違和感を
感じるのよ。
ほほう。何か事情のある飼い主
なのかな?その違和感を抱きつつ
どんな対応と結末を迎えたのか
気になるぜ!
『シャルロットのアルバイト』近藤史恵 (著)光文社文庫
あらすじ
元警察犬で、雌のジャーマンシェパードのシャルロット。
七歳で元気いっぱいの彼女との暮らしにも慣れてきた浩輔と真澄夫婦。
共働きでどちらも忙しい日が続いたある晩、シャルロットとの散歩の途中で迷子のトイプードルを保護した真澄。
飼い主は無事に見つかったものの、どうも違和感が拭えなくて(「シャッルロットと迷子の王子」)。
シャルロットの愛情溢れる様子に心が温かくなる、犬と飼い主にまつわる謎を解く六篇のミステリー。
かわいい迷い犬の飼い主は…
仕事が忙しくなり、帰宅時間が遅くなる日が続いている真澄。
夫の浩輔はさらに帰宅が遅く、休日出勤もしています。
そんな二人に拗ねる様子を見せるシャルロットに申し訳ない、と思いつつ、真澄は彼女と夜の散歩へと出かけます。
そこで見つけたのは小さなオスのトイプードル。
飼い主が見つかるまで保護することにしたのですが、フードを食べなかったり、真澄たちがいない間にパンの袋を破ったりと様々なことが起こります。
さらに迷子犬サイトに情報を載せると、以前飼っていて亡くしてしまった自分の犬にそっくりなので譲ってくれないか、などという怪しげなメッセージが届いたり。
獣医に相談し、マイクロチップから飼い主の情報を得た真澄は早速連絡を入れます。
近所だったため、連れていくという真澄に対し、飼い主は真澄の家に行って受け取ると言います。
さらに指定されたのは夜もかなり遅い時刻。
結局動物病院の近くにあるコンビニで待ち合わせをすることにしたのですが…(「シャルロットと迷子の王子」)。
まとめ
犬を飼うための教科書としても楽しめる連作ミステリーです。
最初は犬を飼うことに不安もあった真澄ですが、シャルロットが向けてくれるまっすぐな愛情や、ときに人間のように拗ねたり知らんぷりしたりといったおちゃめな一面にすっかり家族の一員としての愛情が育まれています。
飼い主の事情も人それぞれではありますが、全力で愛情を捧げてくれる犬のために、健やかに安心して過ごせる環境を整えてあげることが大切なのです。
犬の素直さに触れ、自分の心持ちはまっすぐであっただろうか、と胸に手を当てて考えてしまう、犬好きさんにおすすめのミステリーです。
<こんな人におすすめ>
元警察犬の愛らしさと日常の謎解きを楽しめるミミステリーを読んでみたい
前作『シャルロットの憂鬱』を読んだ
近藤史恵のファン
前作『シャルロットの憂鬱』のイラストブックレビューはこちらからご覧いただけます。
シャルロットが家族の一員として
リラックスしている様子が
伝わってくるなあ。飼い主が
彼女を大切にしていることが
シャルロットにも伝わるんだろな。
飼い主にまっすぐな愛情を
向けてくる愛犬に対して
充分に応えてあげられる
飼い主であろうとする心が
大切なのよね。
本やイラストレビューが気に入っていただけたらポチッとお願いします。