小説・人文

イラストブックレビュー

他人の意識を植えつけることは可能なのか

『私の消滅 』 中村 文則 (著) のイラストブックレビューです。「このページをめくれば、あなたはこれまでの人生の全てを失うかもしれない」そう書かれた手記を、古びたコテージで読む男。部屋の奥にある白いスーツケース、そして男が成りかわろうとしている「小塚」という男の身分証。思わぬ方向に展開していく壮絶なミステリー。
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辛口なケーキ王子のスパイシーな名推理

『ケーキ王子の名推理』 七月 隆文 (著) のイラストブックレビューです。ケーキが大好きな女子高生、未羽は失恋した悲しみを癒そうと訪れたケーキ屋で、パティシエ修行をしている学校一のイケメン、颯人に遭遇。その甘いマスクに反して氷のように冷たい態度と発言をする颯人だが、パティシエ修行のことは人に言うな、と念を押される未羽だが。
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ひとりだから見える、感じられる「ひと」とのつながり

『ひと』 小野寺史宜 (著)のイラストブックレビューです。三年前に父親を亡くし、鳥取で一人暮らしをしていた母が突然亡くなったという連絡を受けた大学二年生の柏木聖輔。大学を中退し、ふと立ち寄った惣菜屋で、五十円のコロッケを見知らぬお婆さんに譲ったことから、不思議な縁が生まれていく。
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猫による、猫のための喫茶店!?

『黒猫王子の喫茶店 お客様は猫様です』 高橋 由太 (著)のイラストブックレビューです。契約社員として出版社で働いていた胡桃は、会社をクビになり新たな仕事先が見つからず崖っぷちの生活。やっと見つけたのは住み込み可のシックな喫茶店。店長は着物姿の美青年だが、その正体はなんとお胡桃が助けた黒猫だった!!
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食と人をつなげる キマジメ秘書の奮闘記

『から揚げの秘密-ひぐまのキッチン』 石井 睦美 (著)のイラストブックレビューです。真面目で勤勉だが、郷土の人見知りである「ひぐま」こと樋口まりあが、米、粉、砂糖などを扱う商社「コメヘン」の社長秘書として働くようになって9ヶ月が過ぎた。仕事にも慣れてきて、やりがいを感じていたある日、まりあが担当した仕事にクレームが入る。
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指先から生まれる生命の輝き

『線は、僕を描く』 砥上 裕將 (著)のイラストブックレビューです。両親を交通事故で失い、喪失感の中にあった大学一年生の青山霜介は、ふとしたきっかけで水墨画の大家・篠田湖山と出会う。湖山に気に入られ内弟子となった霜介は、湖山の孫娘・千瑛に反発され、翌年の「湖山賞」をかけて勝負する、と宣言されるのだが…。
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人生の崖っぷちで土を耕す

『農ガール、農ライフ』  垣谷美雨 (著)のイラストブックレビューです。水沢久美子、三十二歳。派遣切りに遭ったその日、同棲相手から「結婚したい相手がいるから出ていってくれ」と告げられる。TVで見た「農業女子」に、自分が進むべき道はコレだ!と感じ、早速田舎に引っ越し、農業を目指すべく動き出すのだが…。
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49日間のバイトで見つけたわたしの忘れ物

『わたしの忘れ物』 乾ルカ(著 )のイラストブックレビューです。まだ雪の残る三月。H大学の三年生、中辻恵麻は大学の学生部へ訪れた。すると奨学係の女性から、バイトを紹介される。それは商業施設の忘れ物センターでの仕事だった。
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突き抜けているクズ男、伊藤くんと女たち

『伊藤くんA to E』 柚木 麻子 (著)のイラストブックレビューです。千葉のボンボンで、美形で博識。でも自意識過剰で幼稚で無神経な男、伊藤誠二郎。こんな男のどこがいいのか、なぜか彼の周囲には恋愛の話題が尽きない。伊藤くんと関わった女性の目線から、傷つき、立ち上がる彼女たちの姿を描く。
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生涯に影響を与え続けるメンターとの出会い

『リーチ先生』 原田 マハ (著) のイラストブックレビューです。1954年、大分の小鹿田にやってきた、イギリス人陶芸家のバーナード・リーチ。ある窯元の弟子として働く十六歳の少年、高市はリーチ先生のお世話がかりに任命された。驚くことに、リーチ先生は高市の父、亀之介を助手としていたことがあるという。