小説・人文

イラストブックレビュー

ただひたすらに愚直なまでに己の道を進む

『櫛挽道守』木内 昇 (著)のイラストブックレビューです。幕末の木曽山中、藪原宿。この宿場町ではお六櫛という櫛づくりがさかんに行われていた。なかでも登勢の父は名人であり、その父のように櫛挽職人を目指す登勢。しかし、嫁いで子を成すことが女の幸せとされる中、登勢は周囲から奇異な目で見られる。
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ないものが「ある」お店で手に入れたいものとは

『注文の多い注文書』小川 洋子 (著), クラフトエヴィング商會 (著)のイラストブックレビューです 。川端康成の「たんぽぽ」、サリンジャーの「バナナフィッシュにうってつけの日」、内田百閒の「冥途」など、五つの物語の中に登場する「この世にないもの」を、小川洋子が注文し、クラフト・エヴィング商會が探し出す。
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愛され、守られる あなたは誰かの「タカラモノ」

『タカラモノ』 和田 裕美 (著)のイラストブックレビューです。かろうじてつながっているようなママとパパ、おねえちゃんとわたし、ほのみは4人家族。昼は喫茶店、夜はバーで働く、綺麗で明るくて破天荒なママから、ほのみは大切なことを教わっていく。
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いそうでいなかった、街の幸せ配達人

『詩羽のいる街』 山本 弘 (著) のイラストブックレビューです。マンガ家志望の僕は、ネームのダメ出しをされて落ち込んでいたところ、1人の女性と出会った。彼女の名前は詩羽。1日デートに誘われ、詩羽についてまわるうちに、僕は驚くべきものを目にする。
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沈み込むような夜の闇に灯るやさしい灯り

『明るい夜に出かけて』 佐藤 多佳子 (著)のイラストブックレビューです。ある事件がきっかけで大学を休学し、家を出てアルバイトをしながら一人暮らしをすることになった富山。バイトリーダーの鹿沢、富山と同じくラジオ好きの女子高校生・佐古田、旧友の永川らと交流するうちに、周囲の世界が色彩を帯びていく。
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ほんとうのキミに合える場所

『よるのばけもの』 住野よる (著)のイラストブックレビューです。高校三年生の僕は、夜になると化け物になる。黒い粒のかたまりから成る体は大きさや形を自由に変え、頭部にはギョロリとむいた八つの目玉がついている。ある夜、化け物の姿で学校の教室に行くと、そこにはクラスメイトの矢野さつきがいて、化け物の姿の僕に話しかけてきた。
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究極の二択の中で親が息子に望むこととは

『望み』雫井 脩介 (著)のイラストブックレビューです。埼玉で建築設計事務所を営む一登。ある日、息子の規士が帰宅せず、連絡が取れなくなる。警察に相談したが、他にも規士の友人で行方不明の者がおり、死体として発見された者も。規士は事件の加害者なのか、それとも被害者なのか。
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価値観の奥にある「自分自身」を確立させること

『あのこは貴族』山内 マリコ (著)のイラストブックレビューです。松濤で整形外科医院を営む家の三姉妹の末っ子として育てられてきた華子。女子校育ちの箱入り娘で、相手に尽くしすぎてしまうせいか、交際相手とも長続きしない、焦って婚活に取り組み、ようやく理想の相手「青木幸一郎」と出会う。
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美しい裸体以上のものを観客に与えるストリッパー

『裸の華』 桜木 紫乃 (著) のイラストブックレビューです。四十歳のノリカはストリッパーとして活躍していたが、公演中に左脚を骨折し、引退を決意する。札幌すすきのにダンスを売りにした店を開く。二人の若いダンサーを育て、腕の良いバーテンダーもいるノリカの店は次第に起動に乗りはじめるのだが…。
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お客様の人生の歩みとともに自分のキャリアを重ねていく

『上流階級 富久丸百貨店外商部 (3) 』 高殿 円 (著)のイラストブックレビューです。神戸の老舗デパート、富久丸百貨店芦屋店の外商員、鮫島静緒、39歳。外商部期待の若手、桝家修平との同居生活は二年近くにもなり、家族のような居心地の良さを感じている。様々な目的や問題を抱える顧客相手に奔走する毎日だが…。