文春文庫

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優れた能力を持つ教え子が成し遂げようとした事とは

両親が亡くなっており、育ての親であった姉をも無くしてしまった古芝伸吾は、帝都大を中退し、町工場で働いていた。ある日、代議士の大賀の周辺を追っていたフリーライターの長岡修が絞殺死体で発見される。また、伸吾の姉が、大賀の担当新聞記者であったことも判明。伸吾が失踪し、高校の先輩にあたる湯川は伸吾の計画に気がつく。
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沈黙する証拠たちから真実の声を聞きとる

三鷹市の閑静な住宅街の一角に建つ、「警視庁付属犯罪資料館」。コミュ力ゼロ、雪女のような冷たく整った顔立ちの館長、緋色冴子とともに、これまでの事件の証拠品の整理・管理をすることになった寺田聡。それだけではなく、冴子の指示に従って、終わったはずの事件を再捜査することに。
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想像力を超えた先に、真実はある

とある宗教の信者が建物から飛び降り、死亡した。この教団の教祖である連崎が、自分が念力を使って落としたのだと自首してきた。果たして念の力で人を死に追い込むことが可能なのか(「幻惑す」)。興味や縁故から謎解きの協力をすることになった天才物理学者・湯川は真実を見つけ出せるのか。
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大切なものを守ることが新たな悲劇を生み出す

夏休み、両親が仕事で出張することになったため、伯母一家が経営する玻璃ヶ浦の旅館で過ごすことになった小学五年生の恭平。一方、仕事で訪れていた湯川も同じ旅館に宿泊することに。翌朝、旅館に宿泊していたもう一人の客が、数百メートル離れた堤防の下で死体となって発見された。
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押し込めていた自分が開放される時、幸運への扉が開かれる

新月、父母ヶ浜に満月珈琲店をオープンさせた三毛猫のマスター。そこへ海王星の遣いであるネプトゥヌス、通称「サラ」がやってきて、店を手伝うと言う。自分の気持ちをずっと閉じ込めていた沙月の母・藤子。自らの才能の限界を感じていた作家の二季草。サラが動いたことで彼らの新たな人生の歯車が回り出す。
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その洞察力と分析力は推理と殺人に生かされる  

経営コンサルタントを営む富澤充は、副業として殺し屋をやっている。確実に仕留めるその仕事ぶりは評価されている。しかし彼はターゲットが奇妙な行動を見せると、その理由を明らかにせずにはいられない。
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想像を超える完全犯罪を生み出した聖女の胸の内

IT関連の会社の社長・真柴義孝が自宅で毒殺された。一方的に離婚を告げられていた妻・綾音に疑いの目が向けられたが、彼女には鉄壁のアリバイが。草彅刑事が綾音に心惹かれていることを察した内海刑事は、独断で物理学者である湯川に捜査の協力を依頼するのだが…。
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真実は苦悩とともに訪れる

帝都大学准教授・湯川の大学時代の恩師の自宅の離れで火災が発生。離れにいた恩師の死体が発見され、死因は日本刀のようなもので背中から胸にかけて一突きされたものであるという。火災発生時、自室にいた、という恩師は車椅子を使用しているため、一人で離れに向かうことは難しいのだが…。
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犯人のトリックに驚愕し、その心情に言葉を失う

天才数学者の石神は隣の部屋に娘と二人で暮らし、昼は弁当屋で働く康子に密かに思いを寄せていた。ある夜、彼女達が前夫を殺したことを知った石神は、二人のために完全犯罪を計画・実行する。
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「本の名探偵」・お父さんが文豪たちの謎を解く

体育学部出身で運動神経抜群の編集者・田川美希は、日々の仕事の中で本屋小説にまつわる謎に遭遇する。太宰治作品中の意味不明な言葉、泉鏡花が徳田秋声を殴った理由。答えが見つからない時は中野の実家に行き、高校教師であり、本にまつわる謎を解く名人である父に話を聞きに行く。