『文豪たちの怪しい宴』 鯨 統一郎 (著) 創元推理文庫
あらすじ
帝王大学文学部教授・曽根原尚貴は、討論会に参加した後、とあるバーに立ち寄った。若い女性のバーテンダーが持つ、夏目漱石の「こころ」に関する疑問を解説していたところ、一人の男性客が店に入ってきた。そしてこの常連客・宮田は話に加わると「こころ」は「見事な百合小説だ」と驚くべき発言をする。
とあるバーで「こころ」の新解釈が展開される
「こころ」が百合小説であるという根拠について語る宮田に、曽根原やバーテンダーがツッコミを入れ、それに対し反論しながら証明していくスタイルです。百合の対象となる人物は?Kは誰かに殺害されたのでは?遺書は本当に「先生」が書いたのか?など様々な謎が次から次へと投げかけられます。
まとめ
何の疑いもなく読んでいた文学が、疑問を持ち検証していくことでたちまちミステリーの色合いが濃くなったり、登場人物たちの「裏の顔」とも言える部分が現れたりと新鮮な驚きと視点を私たちに与えてくれます。文学好きな方はもちろん、そうでない方にも、今までにない方向から文学を楽しめるオススメの短編集です。
<こんな人におすすめ>
夏目漱石の「こころ」の仰天するような新解釈に興味がある
文学を変わった視点から楽しむミステリーを読んでみたい
鯨 統一郎のファン
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