表からは見えない 人間の奥の奥

『満願』   米沢穂信 (著) 新潮文庫

あらすじ

人を殺め、静かに刑期を終えた妻の本当の動機とは。驚愕の結末を迎える表題作をはじめ、交番勤務の警官や在外ビジネスマン、美しき中学生姉妹などが遭遇する6つのミステリ短編集。

人を殺めた彼女の本当の目的とは

大学時代に世話になった下宿先の奥さんが人を殺めた。弁護士となった藤井は彼女の弁護を担当する。しかし、彼女の夫が病死したことを知ると、彼女は控訴を取り下げた。

借金からのトラブルにより、業者を刺殺。状況証拠は整っている。刑期を務め上げた彼女が本当に求めていたことはなんだったのか。

まとめ

過去の出来事をじっくりと描き、彼女の人となりを充分に見せた後の結末は、大きな驚きを伴うとともに、表からは見えない人間の奥の奥を示され、人の業というものを感じさせてくれます。骨太な、読み応えのある作品が揃ったミステリ短編集です。

<こんな人におすすめ>

人間の心の奥を覗ける小説が読みたい
緻密なロジックと人間の業が絡んだミステリが好き
米沢 穂信のファン

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