この世界で自分自身を失わずに生きていけるのか

『R帝国』   中村 文則 (著)  中公文庫

あらすじ

朝起きると、B国との戦争が始まっていた。

「党」のほぼ独裁である「R帝国」の一部に攻撃を仕掛けてきたのは、B国ではなくY宗国だった。

その裏には何が潜んでいるのか。

そして謎の組織「L」とは。この国がたどりつく先は幸福か、絶望か。

「抵抗」という意識を削がれた国民たち

近未来国家R帝国。人々はHP(ヒューマン・フォン)を常に眺めながら過ごしています。

民主主義の体をしていますが、「党」のほぼ独裁政権となっており、報道やネット情報をコントロールし、国民から「抵抗」という意識を剥いでいきます。

そんな中、こうしたコントロールに反する個人や、組織「L」が現れ、党に立ち向かっていきます。

まとめ

国の計算され尽くした政治には反吐が出る思いがします。

それに反する個の力は小さくはありますが、濁流に巻き込まれてもその輝きは損なわれません。

脱しきれない大きな流れの中で、自分自身を失わずにいきていけるのか。

そんなことを問われているかのように感じる物語です。

<こんな人におすすめ>

国家に支配される国民たちを描いた近未来の話に興味がある
「幸福」とはなんなのかを考えさせられる本を読みたい
中村 文則のファン

本やイラストレビューが気に入っていただけたらポチッとお願いします。

にほんブログ村 本ブログ 書評・レビューへ

にほんブログ村

書評・レビューランキング イラストブックレビュー制作動画

コメント