こちらはある失業者が
就職試験で会社の重役を
監禁するように命じられるお話よ。
ナニソレ？
言ってくる会社も大概
おかしいでしょ。
ところが主人公は失業によって
追い詰められていたために、家族の
反対を受けながらも実行するの。
うわあ〜。なんだか恐ろしい
予感がするなあ。
『監禁面接』 ピエール・ルメートル (著), 橘 明美 (翻訳) 文春文庫
あらすじ
57歳にして失業４年目となったアラン。
再就職もかなわず、アルバイトをかけもちしていたが、アルバイト先の上司に頭突きをくらわし、訴訟騒ぎに。
しかし、ある一流企業から最終試験に残ったとの連絡が。
その試験の内容は「就職先企業の重役たちを監禁し、尋問せよ」というものだった。
バイト先の上司に尻を蹴られ、反射的に頭突きで返してしまったアラン。
鼻を負傷した上司は怒り、アランに賠償金を請求する構えのようです。
同僚もその上司寄りの証言をする様子です。
そんな折、大企業からのうれしい知らせが入りますが、重役たちを監禁するという内容に、アランの妻は反対します。
しかし、追い詰められたアランはこの試験にのぞむべく、徹底的に調査し、学び、練習します。
そのために、さらに娘の夫や娘に借金を申し入れ、結果的に家族に呆れられたり、罵られたりも。
そうして本番の日を迎えたアランは実行に移すのです。
まとめ
弱い立場の者はどんどんと追い込まれていきます。
そうして狭くなってしまった視野の中でも、アランは必死に頭を回転させ、妻や家族の愛情と、友人との絆を支えとして立ち向かっていくのです。
ひ弱な中高年の一労働者が次第に変貌をとげていく姿に戰慄を覚えるとともに、彼をここまでにさせた資本主義の歪んだ構造について考えさせられる物語です。
＜こんな人におすすめ＞
失業者が追い詰められていくサスペンスを読んでみたい
閉塞感あふれる社会の弱者による逆転劇を描いた話に興味がある
ピエール・ルメートルのファン
なんと！！
このラストは予想がつかなかった（゜д゜#）
仕事を失うということで
追い詰められていく人間の姿と
そうさせる社会のあり方について
考えさせられる物語ね。
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