こちらは探偵の杉村と、ちょっと困った
女性たちを描くミステリーよ。
おっ 杉村探偵シリーズだな。
困った女性とはどのような?
自分の子供が殺されそうだと
主張するシングルマザーや
結婚した娘と会えなくて
困っている母親などね。
彼女たちがどんな風に
困ったことをするのか、気になるな。
『昨日がなければ明日もない 』
宮部 みゆき (著) 文春文庫
あらすじ
「私の子供が殺されそうなの」。
中1の娘とともに杉村探偵事務所を訪れた29歳のシングルマザー・朽田美姫。
小学一年生の息子、竜聖が事故に遭い、入院中なのだという。
竜聖の父親である和也と離婚した後、竜聖は遠縁の家に引き取られており、竜聖に後を継がせないために和也の両親が息子を殺そうとしている、と言う美姫の主張に、杉村はまず事故についての事実を調査することに。
表題「昨日がなければ明日もない」ほか二編を収録した、杉村探偵とちょっと困った女たちの事件簿。
10代で長女を産み、結婚するも離婚、その後一哉と結婚し竜聖が生まれるが美姫の借金が一哉の両親の知るところとなり、離婚し、竜聖は一哉のもとへ。
現在別の男性と、長女と三人で暮らしているという美姫。
仕事が続かず、家族に迷惑をかけても気にしない。感情の起伏が激しく、自己中心的。
竜聖の事故の件でも、息子が危険と言いながら、加害者から金を引き出せると思い込む。
なんとも困った依頼者、美姫ですが、杉村は冷静に一哉や事故の関係者などに話を聞き、状況を調べていきます。
まとめ
サラリーマン時代に培った落ち着いた物腰で、依頼人の信用を得ながら着実に仕事をこなす杉村。
歪んだ価値観から起こった悲劇に、人の情念や悪意に立ち向かう覚悟を突きつけられたようです。
本当の被害者は誰なのか。そんなことを考えさせられるミステリーです。
<こんな人におすすめ>
ごく「普通」の探偵が困った依頼人を相手に事件の謎に挑む話に興味がある
杉村三郎シリーズのファン
宮部 みゆきのファン
うわ〜〜
確かに美姫みたいな人間と
関わりを持ちたくないわ〜(゚o゚;;
悪意、情念、絶望。
杉村はあらゆる負の状況と
向き合うことになるのね。
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