のこ
こちらは女手ひとつで
釣り宿を営むおこうの
これまでの人生を描く物語よ。
ぬこ
江戸時代に女手ひとつでって
相当苦労があったんだろうな。
のこ
そうね。犯罪にも手を染め、
身を落とし、そこから
必死に生きてきたの。
ぬこ
なななんという壮絶な!!
なぜそうなったのか知りたいぞ!!
『雨宿り』 宮本 紀子 (著) 光文社時代小説文庫
あらすじ
女手ひとつで釣り宿を営むおこうの前に、みすぼらしいなりの一人の男があらわれた。
若かりし頃、雨宿りをした寺で盗賊を殺め、五十両を奪い取り、その男と夫婦となったのだが。
ともに罪を犯した相手に再会したおこうが取った行動とは。
盗賊を殺めた後、二人は夫婦となりますが、おこうは悪夢にうなされ、男は連日派手に遊びまわります。
そして数年後、男はおこうを置いて行方知れずに。
金も使い果たし呆然とするおこうに声をかけたのは老女のツネ。
おこうはツネに月囲いの妾奉公を持ちかけられたのでした。
まとめ
罪の意識、相手に捨てられたという絶望、プライドを捨てて行きていく力強さ。
愚かな選択をしても、絶望の淵にたたき落とされても、顔を上げていれば明日へ進む道は見えてくるのです。
そうした人々の運命と出会いが絡み合っていく時代小説連作集です。
<こんな人におすすめ>
絶望の淵をのぞいた者が力強く生きていく様子を描いた物語を読みたい
感情を揺さぶられその世界に引き込まれるような江戸の話を読みたい
宮本 紀子のファン
リンク
ぬこ
読後の余韻がものすごい…
のこ
人々の出会いと運命を描く
大人の歴史小説ね。
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