のこ
こちらは幽霊となって現れた
夫と暮らす女性のお話よ。
ぬこ
幽霊と暮らす?
そんなことが可能なのか?
のこ
妻にだけ、夫の姿が見えるの。
会話もできるのよ。
ぬこ
それは良かった…のか?
『神さまのビオトープ』凪良 ゆう (著) 講談社タイガ
あらすじ
結婚して2年目に、夫の鹿野くんが交通事故で亡くなった。失意の日々を過ごしていたうる波の前に、ある日突然鹿野くんがあらわれた。
うる波に食事のリクエストをして、会話をする。周囲には内緒にしていたが、後輩カップルに知られてしまう。さらに後輩は不審な死を遂げる。
亡くなった夫の幽霊と暮らしている、うる波。彼女にだけ見える夫の鹿野くんは、透過してしまうためにい触れることもできないし、うる波に「作って」と頼んだ料理を食べることもできません。
でも、うる波と同じものを見て会話を交わします。
そんな場面を後輩カップルに見られてしまい、仲良く見えたその二人に不穏な空気が漂い、彼のほうが亡くなってしまいます。
まとめ
夫の幽霊と暮らすという、ほのぼのとした物語と思いきや、亡くなった人を思い続ける覚悟や誰とも共有することのできない寂しさや不安をやさしい筆致で丁寧に描きます。
喜びと悲しみが同居する愛しい世界の物語です。
<こんな人におすすめ>
死んだ夫の幽霊と暮らす話に興味がある
哀しくて愛しさを感じる夫婦の話を読みたい
凪良 ゆうのファン
リンク
ぬこ
亡くなった人と話ができるのは
うれしいけれど、触れることは
できない…。せつないな…。
のこ
そうした悲しみごと
抱えて生きていくうる波の
覚悟と愛が感じられる物語ね。
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