こちらはひきこもりで映画オタクの大学生が
事件の謎を解くミステリー、第二弾よ。
映画の知識と結びつけて
謎を解くのは見事だよな。
今回はどんな事件なんだ?
奈緒崎の友人が、DVD盗難の疑いで
住まいを追い出されたので、奈緒崎は
彼を泊めてあげることに。事件も解決
してやろうと嗄井戸に協力を求めるも
すげなく断られてしまうの。
まあなあ、自分勝手な頼みでは
あるわな。でもなんだかんだ、
嗄井戸は解決してくれるのでは…?
『キネマ探偵カレイドミステリー ~再演奇縁のアンコール~』
斜線堂 有紀 (著) メディアワークス文庫
あらすじ
火事で家が燃えてしまった大学一年生の奈緒崎は、映画オタクでひきこもりの友人・嗄井戸が住むアパート、銀塩荘の一階に引っ越してきた。
そして、近くなった嗄井戸の部屋に入り浸る日々を過ごす。
夏休みが終わり大学へ行った奈緒崎は、不審な動きをする同級生、能見と遭遇。
ひょんなことからこの能見を一週間泊めてやることになる。
能見は自分が住むアパートの大家さんから、映画「スタンド・バイ・ミー」のDVDを盗んだと疑われ、行方を追われているのだとか。
自分は盗んでいないが、問題のDVDが自分の部屋に置いてあった、と言います。
疑われても言い逃れのできない状況の中、奈緒崎は能見の言葉を信じ、なぜそんなことが起こったのかを嗄井戸に相談しようとします。
ところがそっけない嗄井戸の言葉にカチンときた奈緒崎は、嗄井戸と口論になり…。
まとめ
ケンカするほど仲の良い、という言葉がピッタリな二人。
壮絶な過去と明晰な頭脳の持ち主・嗄井戸と、単純で素直だが単位を落としてしまう奈緒崎はいいコンビです。
本音を出してぶつかり合うことで嗄井戸の凍った心が少しずつ溶けていくようです。
日常の謎の裏に隠れていた人間ドラマ、そして二人の友情が、映画を観た後のように深い余韻をの残すミステリーです。
<こんな人におすすめ>
映画が絡んだ謎を解くミステリーを読みたい
映画の豆知識が学べるような物語に興味がある
斜線堂 有紀のファン
喧嘩するほど仲がいい、って
2人のためにある言葉なんじゃないの?
奈緒崎の単純なまっすぐさが
嗄井戸の心にストレートに
届くのかもしれないわね。
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