こちらは過去に起こった事件に
関係する五人のメンバーが
ある施設に閉じ込められ、当時の
事件の真相を探っていくミステリーよ。
ほほう。過去にどんな事件が
起こったんだ?
当時家庭に問題を抱えていた
小学生たちが、児童福祉司に伴われ
施設へ一泊旅行に出かけたの。
そこで児童福祉士が崖から転落死して
しまったの。
なるほど。彼らが何を抱えていたのかも
気になるし、転落死の真実も気になるし、
そもそも当時小学生の彼らがなぜ集められたのか…
気になるポイント多すぎ!!
『監獄に生きる君たちへ』
松村 涼哉 (著)メディアワークス文庫
あらすじ
一通の招待状を受け取り、ある施設へ訪れた、高校三年生の古谷桜介。
他にも同じように招待されていた五人のメンバーが揃ったとき、建物の扉が閉まり脱出不可能な状態に。
集まったのは七年前、この場所で同じ時間を過ごした同級生の男女、そしてこの時崖から落ちて死亡した、児童福祉司・真鶴茜の妹。
彼らが受け取ったのは「私を殺した犯人を暴け」という、死んだ真鶴茜からの招待状。
当時の記憶を振り返りながら、茜を殺した犯人を探ろうとする彼らが見つけた真実とは。
幼い頃に心に傷を負った、五人の高校生たち
七年前、小学五年生だった彼らは虐待やDVなど、家族や関わる大人たちとの間に問題を抱えていました。
児童福祉司である茜は彼らの話を聞き、ときには親に話をして状況を改善するよう働きかけていました。
七年前の夏の日、こうした子供たち数人に声をかけ、茜が引率し、施設で一泊して楽しく過ごすということに。
花火大会が行われていて、外でそれを眺めていた子供たち。
具合が悪い、と一足先に施設へ戻った茜はその晩戻らず、翌朝崖の下で死体となって発見されたのでした。
七年後、彼らは当時と同じ場所で、その日の行動を検証していくのですが…。
まとめ
子供の心に受けた傷は、思いもかけない形で表面化することがあります。
傷が広がらないよう、必死に働きかけてくれる大人がいる一方で、ケアしきれない部分が出てしまうという現実も。
逃れられない監獄のような環境を体験してきた彼らが明らかにした真実は、どんな場所へと導くものだったのでしょうか。
その衝撃の結末に言葉を失う物語。
<こんな人におすすめ>
監禁されてしまった高校生たちが過去の事件を検証していく物語に興味がある
心に傷を抱えた彼らがどのように生きてきたかを描いた話を読んでみたい
松村涼哉のファン
子供の頃に受けた傷は
思いもかけない形で表に
出てくるものだな…(T ^ T)
児童福祉司の力と限界、
そして当事者たちの苦悩と
葛藤が描かれた物語ね。
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