こちらは神楽坂を舞台にした
怪談小説を依頼された作家が
自らの体験や知人の体験を描いて
いくうちに奇妙な共通点に気づくの。
怪談話かあ。神楽坂って
ところも雰囲気あるなあ。
で、共通点とは?
ある人物がどの話にも
見え隠れしているの。
作家とオカルトライターが
怪異現象について推測を重ねて
いくのだけど…
ど、どんな真実にたどり着いて
しまうんだ!?
『火のないところに煙は』 芦沢央 (著)新潮文庫
あらすじ
作家である私の元に、出版社から神楽坂を舞台にした怪談小説の執筆依頼が入った。
心の奥底に封印してきた「あの出来事」を文章にする時が来たのかもしれない…。
神楽坂の母と呼ばれる評判の占い師、悪夢に取りつかれた家、奇妙な言いがかりをつけてくる隣人。
自分の体験談からはじまり、知り合いや人づてに様々な怪異話を集めていく私は、これらの話が奇妙なつながりを見せることに気づく。
背筋も凍る怪異現象の正体とは
別れた元彼が交通事故で亡くなった後、自分が担当するポスターに奇妙な汚れがつくように。
拡大してみると、そこには小さな文字がびっしりと書かれていました。
元彼の怨念だろうからお祓いできる人を紹介してくれないか、と広告代理店に努める角田さんから頼まれた私は、オカルトライターの榊さんに相談します。
榊さんの解釈を聞き、すぐに角田さんに電話をしましたが連絡がつきません。
おりかえしかかってきた電話は、角田さんが車にはねられて亡くなった、という知らせでした。
この経験を一作目の短編として書きあげた私は、様々な人たちのツテを使って怪異話を集め、時には体験された人のところへおもむき、取材もします。
これらの話から榊さんが推理した、怪異の正体とは何なのか。
そして出来事はあるつながりを見せ…。
まとめ
霊の怖さでヒヤリとさせておきながら、実は別の部分に恐怖の根源があった、というミステリー要素を含んだ怪談話です。
ひたひたと忍び寄ってくるような、得体の知れないものに対する恐怖と、見事な構成に震えるホラー小説です。
<こんな人におすすめ>
神楽坂を舞台にした連作ホラー小説を読んでみたい
様々な形の恐怖を味わってみたい
芦沢央のファン
ぐわっ 人間怖い(ll゚Д゚)…
心霊現象を探っていく過程も
ミステリ要素があって楽しめるわね。
心霊現象の裏に隠された、生きた人間の
「思い」が一番恐ろしいものなのかも
しれないわね。
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