こちらは元警察官で現在小説家の
毒島が刑事時代最後に取り組んだ
事件を描くミステリよ。
ああ、あれだけ頭が切れるのに
どうして警察をやめたのか。
その辺りは濁しているカンジだったよな。
銃殺事件、硫酸による傷害事件、
示唆殺人事件など一見関係の
ないように見えるこれらの事件に
つながりがあることを毒島は
突き止めるの。
ほうほう。そこで一気に
あの凄まじい口撃で犯人を
追い詰めていくのかな?楽しみだぜ!
『毒島刑事最後の事件』中山 七里 (著)幻冬舎文庫
あらすじ
皇居近くで二人の男性が射殺される事件が発生した。
テロリストかと世間が騒ぐ中、警視庁一の毒舌と検挙率を誇る毒島は「チンケな犯人」と嘲笑。
そして犯人を捉えるためにある罠を仕掛ける。
出版社の爆破事件、女性を狙った硫酸攻撃。
一連の事件の背後に潜む「教授」の正体とは。
とらえどころのない犯人に毒島が挑む。
人心を操る「教授」と毒舌刑事の対決
検挙率は警視庁随一、おまけに能弁で一つ意見を言えば十も反論を返す毒島は、庁内で一目置かれていると同時に、上からは扱いづらい人間と見られています。
4月28日、5月3日と皇居近辺で男性が射殺される事件が発生。
銃は同一のものを使用しており、被害者同士の共通点は見られません。
大手町という場所もあり、テロリストではないかという意見が警察内部でも出ますが、毒島はこれを否定。
テロであれば一般人ではなく政治家などの要人を狙う。
大手町に通うサラリーマンというだけで恨みを持つような人間が犯人である、と分析。
そして毒島は犯人に対してある「餌」を撒きます。
まとめ
院卒ながら就職できず、自分がなるはずだったエリート会社員への恨みをつのらせる。
応募した小説が評価されず、出版社に怒りをぶつける。
婚活を荒らす女性たちが目障りに感じる。
偽の記憶を植え付け、殺人行為へと導く。
いくつもの事件の裏には巧妙に彼らを操り、行動に向かわせる「教授」の存在がありました。
殺人示唆という立件しにくい案件に挑む毒島と狡猾な犯人とのやりとりは手に汗握ります。
そして窮地に立たされたかと思われた結末と同時に判明する毒島の真意に鳥肌が立つミステリー。
<こんな人におすすめ>
元刑事である作家が最後に手がけた事件を描くミステリーに興味がある
前作『作家刑事毒島』を読んだ
中山 七里のファン
前作『作家刑事毒島』のイラストブックレビューはこちらからご覧いただけます。
怖い怖い…((((;゚Д゚))))
こここんな人が警察にいて
いいのか悪いのか…
小説家でいるほうがいい…のか??
緊迫感のあるやりとりの末
放出される毒には凄まじいものが
あるわね。いっそ清々しい毒舌と予測の
一歩上を行く毒島に感服するミステリーね。
本やイラストレビューが気に入っていただけたらポチッとお願いします。