こちらは猫にまつわる商いを
する『福猫屋』の第三弾よ。
常連の権兵衛が福猫屋で
出会った女性に思いを寄せるの。
猫のことしか興味のないあの
朴念仁が!!ついに奴にも
春がやってくるのか。母上も
これで安泰だな。
ところがお相手の名も住む
家も知らず、果ては自分自身が
その女性を好いているという
ことすらよくわからないのよ。
さ、さすが朴念仁(~_~;)
どうにかその思いを成就
させてやりたいもんだが…。
『福猫屋 お佐和のねこわずらい』
三國 青葉 (著) 講談社文庫
あらすじ
麦湯やおはぎを味わいながら、猫をなでたり、じゃらしで遊んでみたり。
お佐和が始めた江戸の猫茶屋「福猫屋」は常連客もつき、小物類の販売も順調。
そんな中、常連客の武家・権兵衛と花津という女子が、猫好きが高じて言い争いに。
以来花津のことが気にかかる権兵衛だが彼女のことが何ひとつわからない。
彼女が再び福猫屋に現れるのを待つ権兵衛だが。
福猫屋で出会ったあの女性が忘れられない!?
権兵衛の母親・波留と相談して作ってもらった猫の巾着やつるし飾り用の縮緬細工の細工物は、その姿が愛らしいと福猫屋のお客たちに好評です。
そんなある日、権兵衛と二十歳過ぎくらいの美しい女性が縮緬細工の三毛猫をつかんで言い争いに。
くじ引きで三毛猫を手に入れたのは花津と名乗る女性のほうでした。
残念がる権兵衛ですが、花津と猫の話で大いに盛り上がります。
朴念仁の権兵衛にもようやく春が…とほほえましく見守る佐和と常連客たち。
しかし当の権兵衛は自分が花津を好いているという気持ちになかなか気づかず、気づいた頃には花津がどこの娘であるかなど何ひとつ知らなかった、という始末。
福猫屋に再びやって来る日を待ちますが、花津はなかなか現れません。
そんなある日、生まれた子猫を譲るため、大殿の紹介でやってきたのは古賀家の奥方。
そして、後ろに控えていたお付きの女子。
それがまさに花津だったのです。
まとめ
江戸の猫カフェ「福猫屋」シリーズ第三弾。
貴重で珍しいという理由で猫を飼う飼い主、猫好き同士の男女の仲の行方、高齢者の飼い主などがテーマになっています。
江戸時代を背景としていながらも飼い猫への意識、飼う際のケアなど現代にも通じるものがあります。
猫好きで家を継ぐことなど興味がない、と口に出してしまう権兵衛が、同じく猫好きで気の強い美人・花津へ思いを寄せていくところや、基準が猫中心という二人のちょっとずれたやりとりも笑いを誘います。
江戸の猫好きたちにほっこりする、心あたたまる物語です。
<こんな人におすすめ>
猫カフェが猫好き男女の縁を結ぶ助けをする、ほっこりする物語を読んでみたい
『福猫屋』シリーズのファン
三國 青葉のファン
これはまた… ヤバイカップルが
誕生しちゃうな(>▽<*)ww
猫が縁結びまでしちゃうわけだ!
猫の可愛らしさは人と人を
結びつける力にもなるのかも
しれないわね。猫への愛を
いろんな形で伝えてくれる物語よ。
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