こちらは『Another 2001』の下巻よ。
始まってしまった三年三組の災厄を
止めるべく、想は卒業生の鳴や恒一の
記憶を問うのだけど。
鳴の能力は変わらないとしても
記憶のほうは曖昧になってるんだよな。
恒一はどうなんだろう?この街には
いないんだろ?
そうなの。恒一はこの地を
離れている分、その影響はあまり
ない様子。でも、電話で話をしていた際に
ノイズが入り音声が途切れてしまうの。
おお… 大事な情報だったんじゃ
ないか?切れ切れな情報から
この災厄を止める方法は見つかるのか。
『Another 2001(下) 』綾辻 行人 (著) 角川文庫
あらすじ
「呪われた三年三組」を襲う災厄は、新たな対策を講じてもその勢いは収まることなく、これまでにない規模で被害を拡大させていた。
三組の「いないもの」の役を買って出た想は、三年前に同じ状況を体験した卒業生・榊原恒一や見崎鳴の助言を受けながら原因を探り、対策を講じようとするのだが…。
もやに包まれた記憶の中に災厄を止める鍵が
クラスメイトやその家族に死者が出たことにより、ついに災厄が始まったことを知った三年三組は「いないもの」を設定することを終了。
想はかつての災厄を体験した鳴に報告し、三年前に災厄が止まった時のことをたずねます。
しかし鳴は、災厄が止まったことは事実であり、認識しているが何があったのか思い出せないのだと言います。
知っていたはずなのに、と。
この土地に住んでいない恒一であれば記憶を歪められる影響を受けることなく、覚えているかもしれない。
そんな鳴の言葉を受け恒一に電話をかける想。
しかし彼との通話はノイズにまみれよく聞き取れません。
ノイズの合間に何とか聞き取れたのは『「死者」を「死」に…迷いを捨てて、行動を。彼女を信じて、そして…』という言葉。
これまでの出来事から『死者』が誰であるかを悟った想。
しかしその人物を「死」に返すことに大きな抵抗が。
何とかこの危機を脱したかのように見えた想たちをさらなる災厄が襲います。
何故災厄は止まらないのか。
想たちは必死に考え、思い出そうとするのですが…。
まとめ
恒一からの助言をもとに、一度はこの不幸の連鎖を断ち切ることに成功したかのように見えた想たち。
ところがまだ災厄は続きます。
一刻も早くその原因を探り、解決のために行動に出る必要がある。
限りある時間の中で謎を解くハラハラドキドキ感がたまりません。
文章には「死者」のヒントが散りばめられており、読者自身が探し出す楽しみも。
かつて三年三組のキーマンであった恒一と鳴の関わり方もとても良く、助けてはくれますが決めるところは想がきっちり決める、という気持ちの良い展開です。
自身の家族に対する思いを抱く想が、この一連の出来事を通して幼い自分と訣別していくその姿も印象的な学園ホラーです。
<こんな人におすすめ>
広がり続ける死の連鎖を止めるために推理し考える中学生たちを描く
青春ホラーミステリーを読んでみたい
『Another』(上)(下)、『Another 2001(上)』を読んだ
綾辻 行人のファン
うお〜!!災厄の規模すごすぎる!!
そんでもってまた意外な人物が
死者だった!!びっくりな上に
ドラマチックすぎる〜〜o(>ω< )o
災厄を止めるための一連の動きの中で
成長していく想の姿にも胸を打たれる
学園ホラーね。
『Another 2001(上)』のイラストブックレビューはこちらからご覧いただけます。
前作『Another』(上)(下)のイラストブックレビューはこちらからご覧いただけます。
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