ひと目でわかる!イラストブックレビュー
『人面瘡探偵』中山 七里 (著)

のこ
のこ

こちらは相続鑑定士の三津木六兵の

方に寄生した人面瘡のジンさんが

ある山林王の遺産の相続人が

次々と殺害される事件の謎に

挑むお話よ。

ぬこ
ぬこ

人面瘡が謎を解く??

それって喋るってこと?

宿主の六兵と会話をするのか?

のこ
のこ

そうなの。ポンコツの六兵を

ジンさんが毒舌でツッコむのよ。

子供の頃の怪我がきっかけで

肩にできたジンさんは六兵と違って

一度見聞きしたことを忘れない

記憶力と鋭い推理力を持っているの。

ぬこ
ぬこ

へえ〜。人面瘡のジンさんが

ホームズで、宿主の六兵が

ワトスンってわけか。

どんな活躍をするのか楽しみだな!

『人面瘡探偵』中山 七里 (著)小学館文庫

あらすじ

都内の古畑相続鑑定事務所に勤める相続鑑定士の三津木六兵の肩には、五歳の時から人面瘡が寄生している。

言葉遣いは悪いが博識で記憶力の良い彼を「ジンさん」と呼び何かと頼りにしている。

ある日、六兵は信州の山林王、本庄家の財産分与協議に向かうが、長男の武一郎、次男の孝次、三男の悦三、そして離婚して息子と共に戻ってきた長女・沙夜子を相続人とした協議は困難を極め、なかなか先に進まない。

そんな中、武一郎夫婦の死体が火に焼けた蔵の中で発見されたことを皮切りに次々と相続人が殺されていく。

事件の犯人と真相とは。

相続人たちが次々と命を落とす

信州の山奥に邸宅を構え、地元で名士とうたわれた山林王が亡くなり、その財産を調査し相続人に最適なアドバイスを行なった上で手続きや資産活用を支援することになった六兵。

亡くなった山林王の蔵之介には四人の子供がおり、それぞれグループの役員に収まっているといいます。

しかし時代の波に逆らえず業績は右肩下がりで苦しい状況に。

負債額も相当あるようです。

長男の武一郎は尊大な態度、次男の孝次は享楽主義者、本庄家の良心と呼ばれる常識的な三男の悦三、そして離婚した後に幼い息子を連れて戻ってきた紗夜子。

この四人の相続人との協議はこじれてなかなか先に進みません。

そんな中、蔵で火災が発生。

焼けたその中からなんと武一郎夫婦の死体が発見されます。

次々と起こる相続人殺害事件。

犯人の目的は財産の相続か、それとも全く別の動機を持っているのか。

ジンさんに命じられ、どやされながら周囲の関係者に話を聞いていく六兵。

そこで一連の事件がある絵本に描かれている内容と同じことに気付きます。

まとめ

横溝作品をほうふつとさせる、山深い屋敷に暮らした山林王の相続人たちを襲う殺人事件。

ワトスン役の六平は素直だけどちょっと頼りない人物。

そして名探偵は優れた記憶力と豊富な知識を持つ、何と人面瘡のジンさん。

これまたすごい毒舌で、六兵が少々気の毒になりつつもその推理は鮮やかで、確かにジンさんの言うことを聞きたくなります。

奇妙な名探偵と重厚な影のある本格ミステリとのコントラストも楽しめる、満足度の高いミステリーです。

<こんな人におすすめ>

優れた記憶力と推理力を持つ人面瘡が旧家で起こる殺人事件を解決する話を読みたい
相続をめぐる争いや旧家ならではのしがらみなどを描いたミステリーに興味がある
中山 七里のファン

ぬこ
ぬこ

山奥の旧家の相続をめぐる殺人に

密室の謎。人間関係もドロドロ

していて確かに横溝作品ぽい!

読み応えあるぅ〜〜!!

のこ
のこ

重厚な空気感を切り裂く

ジンさんの毒舌とぼんやりした

六兵とのコンビがテンポよく

読ませてくれるミステリーね。

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