のこ
こちらは、亡くなった妻が
夢の中に現れる、という
お話しよ。
ぬこ
何だろう、亡くなった奥さんは
何かを訴えているのかな?
のこ
たびたび夢に登場するのだけど
見るたびに、妻の手の指が
1本ずつ減っていくの。
ぬこ
ええ〜 旦那さんの心理が
そう見せるのかな?
気になるな。
『骨を彩る』 彩瀬 まる (著) 幻冬舎文庫
あらすじ
十年前にがんで妻を亡くした津村は、中学生の娘と二人で暮らしている。心揺れる女性に出会ったが、妻が夢の中にあらわれるようになった。妻の姿を見るたびに手の指が1本ずつ減っていた。喪失感を抱えた人々の姿を描く。
妻の死後から十年。気になる女性もあらわれたのだが、夢の中に妻が登場するようになります。そこで妻が残した手帳を見返した津村は「誰もわかってくれない」と書かれた一文に衝撃を受けます。そして夢の中の妻は、見るたびに指の数が減っていくのです。
まとめ
心にぽっかりと空いた、埋められない穴を抱えた人々。失ってしまった人はもう応えてくれないけれど、残してくれたものが輝く瞬間があります。それを美しい情景と言葉で、読む者の心の奥深くまで沁み込ませてくれるような、甘い痛みを伴う物語です。
<こんな人におすすめ>
喪失感を抱えた人を描いた話を読みたい
心の傷を美しい描写で繊細に描いた話に興味がある
彩瀬 まる のファン
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ぬこ
喪った痛みを感じるな。
でも悪い痛みじゃない。
のこ
心の奥底をそっとなでられたような
甘い痛みを感じる物語ね。
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コメント