のこ
こちらは、動物レプリカを作る工場で
動いているシロクマを発見した
社員がその正体を調べるお話よ。
ぬこ
動物のサンプル?
のこ
この世界には生きた動物は存在せず
工場でレプリカを作っているの。
ぬこ
なるほどね。存在しないはずの
生きた動物か。何のために現れたのか、
そしてその正体も気になるところだな。
『レプリカたちの夜』 一條 次郎 (著) 新潮文庫
あらすじ
動物レプリカ工場の中で、動いているシロクマを発見した往本。絶滅したはずの本物か、それとも産業スパイなのか。
工場長から、シロクマを見つけ、殺せと命じられた往本は同僚で女好きの粒山や、資材部の女性、うみみずと共に、シロクマについて調べはじめる。
シロクマについて探っていた往本に、次々と奇妙な出来事が起こります。
事故に遭って大変だったね、と言われたり、血まみれで倒れる工場長を発見したり、人工生命だと名乗る女性に空き家へ連れ込まれたり。
自分の記憶と周囲の認識が異なっていたりします。
まとめ
現実なのか、妄想なのか、判然とせず、読む方も次第に不安を感じてきます。
自意識とは、自我とは何か。自分が見ているものは本物なのか、いや「自分は本物なのか」。
ユーモアもありながら、そんな命題を含む物語です。
<こんな人におすすめ>
現実的ではないがなぜか引き込まれる奇妙な話を読みたい
シロクマが上司となり、かき氷を上手に食べている話に興味がある
一條 次郎のファン
リンク
ぬこ
わあ なんだかこんがらがってきたぞ!
のこ
自分が見ているものは果たして
本当に起こっている出来事なのか?
そんなことを考えさせられる物語ね。
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