のこ
こちらは「撒く」ことが
大好きな少女をめぐる物語よ。
ぬこ
撒く?タネとかそういうの?
のこ
そうね。いろんなもの。
小学五年生の男の子は、この少女を
変わった子だなあという目で見ているの。
ぬこ
そうだな。小5女子ともなれば
大人っぽくなってくるしな。
彼らの友情物語でもあるわけだな。
『まく子』 西 加奈子 (著) 福音館書店
あらすじ
小さな温泉街に住む小学五年生の男子、慧は日々成長して行く女子たちや自分の身体に恐れを感じていた。
そんな時に「コズエ」がやってきた。美しくて、ちょっと変わっていて「撒く」ことが大好きな彼女には秘密があった。
母親と二人でやってきた美少女、コズエは不思議な少女。
周囲の女子たちのように「女」を感じさせないし、何もかもはじめて見たかのような反応をする。
そんなコズエは「私はある星からきたの」と慧に打ち明けるのです。
その発言に戸惑う慧ですが…。
まとめ
子供でいたいのに、変化していく自分と周囲に恐怖や苛立ちを感じる慧。
大人の理不尽さにも不満を感じています。
しかし、ただ目の前の事実を見、とらえるコズエの存在により、少しずつ自分を認め、広がった視野で周囲を見ることができるようになっていきます。
生きること、成長すること、愛すること。多くのエッセンスがつまった、感動の物語です。
<こんな人におすすめ>
世界が光に包まれる奇跡を感じるような物語を読みたい
小学五年生の悩み、成長をみずみずしく描いた話を読んでみたい
西 加奈子のファン
リンク
映画化もされましたね。草彅 剛さんが出演されてました。
リンク
ぬこ
後半が壮大な展開だぞ!!
のこ
自分と周囲に違和感を持つ少年が
不思議な少女との出会いから
自身の視野を広げ、成長していく姿を
描いた物語ね。
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