のこ
こちらは50歳の独身男性を
めぐる、人生の夕暮れ時を
描く物語よ。
ぬこ
50歳の独身男性か。
日々を謳歌していそうな
イメージだけど。
のこ
周りから見ると、お気楽に
見えるけれども、内面では
いろいろ考えているのよ。
ぬこ
なるほどね。
「若くない」というところを
感じはじめる世代でもあるのかな。
『なかなか暮れない夏の夕暮れ』
江國 香織 (著) ハルキ文庫
あらすじ
資産家で、気ままな一人暮らしをしていいる稔は50歳。
暇さえあれば本を読んでいて、友人で顧問税理士の大竹が訪れてきても気がつかないほど本の世界に入り込む。姉の雀も外国で暮らす自由人。
娘の波十は稔に似て本好きであり、ときどき会って二人で過ごす。
なかなか暮れない、孤独と切実さを抱える男と女たちの物語。
本の中の物語と、現実に起こっている物語が交互に描かれ進行していきます。
本の世界に浸る稔と波十、そして独特の世界観を持つ、マイペースな雀。
第三者から見ると現実から目を背けているように見える彼らですが、意外と現実をしっかりと受け止め、その先のものにも目を向けています。
現実をしっかり見据えているように見えるものの方が変化に耐えられない部分もあるようです。
まとめ
本を愛する人は孤独とも仲良くできるのではないか。
そしてその中から幸福を見つけだすことも上手なのかも、そんな風に感じる物語です。
<こんな人におすすめ>
幸福や孤独について繊細なタッチで描いた話を読みたい
充足と不足について考えさせられるような話に興味がある
江國 香織のファン
リンク
ぬこ
せつなくもあるけど
孤独を抱え込んだ安らぎみたいな
ものも感じるな。
のこ
幸福や孤独について
繊細なタッチで描かれた
物語ね。
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