温かな湯気から漂う 美味い飯と人情の香り

のこ
のこ

こちらは一膳屋を営むお高の

まわりで起こる出来事を描く

『一膳めし屋 丸久』シリーズ

第二弾よ。

ぬこ
ぬこ

豪華ってわけでもないんだけど

毎回ごはんがうまそうなんだよな。

今回はどんなことが起こるんだ?

のこ
のこ

店で食べた豆腐でお腹を

壊した、というお客が現れるの。

ぬこ
ぬこ

そりゃあ大問題だ。

お高はいったいどうするんだろう?

『浮世の豆腐 一膳めし屋丸九(二)』

中島久枝 (著) 時代小説文庫

あらすじ

桜が散り、若葉が茂る頃、初がつおが出回りはじめる。

一膳めしや丸久のおかみ、お高も楽しみにしている。

そんな中、先代の頃から丸久で働くお栄は、友達と四人で割符の富くじを買ったのだが…。

またある日、近所の俵物問屋・長谷勝の若い衆が丸久の豆腐を食べて腹をこわしたと因縁をつけにきて…。

丸久の古株、お栄が仲間と買った富くじが当たり、一両を手に入れます。

つつましく暮らしてきたお栄は、考えた末に布団の打ち直しをしようと考えたのですが…。

初物に目が無い江戸っ子の心情と、盛りを過ぎた女性の切なさと複雑な思いを描きます。

また、食材や調理まわりの管理には気を使っているお高が、店の豆腐を食べて腹を壊したと因縁をつけられ、真っ向から立ち向かいます。

まとめ

旬のものを美味しく作って出すことに誇りを感じながらも女としてどう生きていくかと悩み、恋にひどく臆病なお高を応援したくなります。

湯気の向こうから、美味しい料理と人情の香りが漂ってくる、あたたかな江戸の物語です。

<こんな人におすすめ>

江戸時代のおいしい食べ物を描いた話を読みたい
食べ物にまつわる人情モノに興味がある
中島久枝のファン

ぬこ
ぬこ

仕事一筋の堅物かと思いきや

かわいいところもあるお高。

いいね。

のこ
のこ

どの時代も女が一人で

生きていくこと、老いて

いくことに不安や悩みを

持つものなのね。

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