『すぐそこの遠い場所』
クラフト・エヴィング商會 (著), 坂本 真典 (写真) ちくま文庫
あらすじ
クラフト・エヴィング商會の先代・吉田傳次郎が大切にしていた書物「アゾット事典」。そこにはアゾットという世界についての情報が書かれていた。遊星オペラ劇場、星屑膏薬、雲母でできた本…。不思議で懐かしい場所、アゾットの永遠に未完の事典。
「とても遠いところだけれど、しかし、すぐそこにある。」祖父がアゾットについて語るのを思い出した、孫である三代目が、この事典を翻訳してみようと決意します。
まとめ
事典はアゾットという世界の仕組みや、21のエリアに分かれた各所の特徴、そしてそこに存在するものについて解説しています。星屑から作られたリップクリームあり、夕方にだけ走る列車あり、巨人の涙から作られる酒あり…とワクワクするようなものが多く登場。
そして、その解説文は、このアゾットの世界観をより魅力的に見せてくれて、ウィットを効かせつつどこか物悲しさも感じさせてくれるものです。永遠に変化し続ける不思議な世界アゾットに訪れてみたくなるような、何とも魅力的な一冊です。
<こんな人におすすめ>
どこまでも広がりを見せる架空の世界に興味がある
有りそうでなかった世界を美しい写真とともに見てみたい
クラフト・エヴィング商會のファン
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