『肉小説集 』 坂木 司 (著) 角川文庫
あらすじ
凡庸を嫌い「上品」を好むデザイナーの僕。自分と何もかもが正反対な彼女には、さらに強烈な父親がいて…。不器用でままならない人生の瞬間を、肉の部位とそれぞれの料理で彩った短編集。
「肉小説集」とうたうように、肉料理は出てくるが、主人公の男たちは肉を苦手とする人が多い印象です。
サラリーマンからヤクザ業界に転職した男、婚約者とまるで好みが合わない男、良い上司としての自信が持てない男…。
まとめ
日常の、ちょっとした違和感をすくいあげ、ていねいにその哀愁やあたたかい感情を描いていきます。う
まくいかないと思っているのは案外自分の思い込みなのかもしれない。
油にまみれた、噛み切りにくい肉だって、小さく薄く切ってよく咀嚼すれば、味わ深い余韻を口の中に残してくれるのです。
肉と人が結びつく妙を、優しさとユーモアをたっぷりとまぶして表現した美味しい「肉小説集」です。
<こんな人におすすめ>
肉が好きだ
肉が好きではない
坂木司の描く人間のやさしさが滲み出たような話が好き
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