『冥途あり』 長野 まゆみ (著) 講談社文庫
のこ
こちらは亡くなった父親が
生きてきた人生を、親族との
会話から振り返っていくお話しよ。
ぬこ
ふうん。通夜とか告別式の
後って親戚の人たちが集まって
故人の話をするやつ?
のこ
そうね。
そこから昭和の風景や
今を生きる親族たちの問題なんかも
交えながら、語られていくの。
ぬこ
「人に歴史あり」ってやつだな。
あらすじ
東京の下町で生まれ、実直な文字職人としてその生涯を終えたはずの父。しかし、亡くなった後、親族との会話から、父の意外な一面を知る。遠き日の昭和の風景とともに、一族の歩んできた道を描く物語。
父が子供時代に過ごした昭和九年頃の三河島。十四歳の頃、広島へ疎開した時に被曝し、ガラスの破片が背中に埋まってしまったのです。そんな父の過去を、母も、子供たちも知りませんでした。実直で、多くを語らない父の過去は、戦争の時代を乗り越え、壮絶なものだったのです。
まとめ
祖父や父の体験とともに彼らが生きてきた昭和という時代の景色や空気が、セピア色のフィルター越しに、鮮明に、そしてどこか物悲しく浮かんできます。人と時代、それらが連なり合って今という時代と自分がある、ということを感じさせる物語です。
<こんな人におすすめ>
昭和の空気を感じる話を読んでみたい
実直な人物の思いがず波乱万丈な一生を描いた話に興味がある
長野 まゆみのファン
リンク
ぬこ
へえ〜。こうしてみると
人っていろんな面を持ってるんだな。
見えてるのは一部分だけ。
のこ
そうした時代や人が重なり合って
今につながっているということを
感じる物語ね。
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コメント