足りないものを抱えた者同士が寄りそう形を描く

のこ
のこ

こちらは、何かが欠けた

男女を描く連作短編集よ。

ぬこ
ぬこ

「ファミリー・レス」とあるから

家族の話?

のこ
のこ

そうね。

恋人を姉に取られた女性や、

自分が原因で離婚された男性

などを描いているわ。

ぬこ
ぬこ

ううむ 苦しそうだな。

かれらは乗り越えることが

できるのかな?

『ファミリー・レス』  奥田 亜希子 (著) 角川文庫

あらすじ

姉と絶縁し、シェアハウスで暮らすOL。妻の親族に興味を持てない画家。未来を考えられないことで離婚された男。姉の忘れ形見である娘の、ほんとうの母親になりたい女教師。何かが欠けた6人の男女を描く、連作短編集。

シェアハウスで暮らすOLの希恵。実家の母から姉が産んだ赤ん坊の写真が送られてきます。毒舌の住民、葉月とのやりとりから、姉の子は自分が付き合っていた彼との間にできた子だということと、姉への思いを吐き出していく希恵。他人である葉月との間に生まれた心のつながりが希恵の心のしこりを溶かしていくのです。

まとめ

「家族」であるがゆえに、近すぎて生まれる葛藤、遠いゆえの戸惑い、「家族」でないがゆえに生まれる安堵と寂しさ。心の一部が欠けてしまった人々の、そうした感情をていねいに描きます。胸の奥を突かれるような、深い余韻を残す物語です。

<こんな人におすすめ>

欠けた状態の「家族」を描いた物語に興味がある
家族とは言えないが心を寄せ合って生きる者達の話を読んでみたい
奥田 亜希子のファン

ぬこ
ぬこ

家族だから、家族ゆえに、

ってこともあるよなあ。

のこ
のこ

そうね。そうした細やかな

感情を、静かに、丁寧に描いた

物語よ。

本やイラストレビューが気に入っていただけたらポチッとお願いします。

にほんブログ村 本ブログ 書評・レビューへ

にほんブログ村

書評・レビューランキング