のこ
こちらは妻と、妻の前夫の母
との関係を描いた物語よ。
ぬこ
前夫の母…。もと義母ってことね。
なんだか複雑そうだな。
のこ
前夫は過労死で亡くなっているの。
それから一年足らずで再婚したわ。
ぬこ
で、義母とも続いていると。
うーむ 今後どうなっていくのか。
『ギリギリ』 原田 ひ香 (著) 角川文庫
あらすじ
脚本家の卵である健児は、同級生の瞳と結婚した。彼女の前の夫、一郎太は過労死し、それから一年足らずでの結婚。一郎太の母・静江とも何故か仲良くやっている。
少しずつ変化する日常に落とす一郎太の影は、今の心地良い関係に陰りと気づきをもたらす。
健児、瞳、静江、それぞれの視点から一郎太への回想と、現在の関係を描きます。
瞳に心を尽くしてきた健児は、自分の脚本がテレビドラマに採用され、これまでの穏やかな生活が一変します。静江はスカイプで日本語教師をはじめ、自分の一郎太に対する思いと現実に気づきます。
そして瞳は、夫の愛人だったという女性と会い、元夫婦だった頃の自分たちに思いを馳せるのです。
まとめ
それぞれが痛みを抱え癒されたい、癒してあげたいと思っているけれど、結局自分自身で答えを見つけ、乗り越えて行くしかないのです。悲しくて、せつない、しかし明日に向かう勇気をもらえるような物語です。
<こんな人におすすめ>
妻、夫、元夫の奇妙な三角関係に興味がある
亡くなった一人の人間から得る気づきを描いた話を読みたい
原田 ひ香のファン
リンク
ぬこ
しっかりとした関係では
ないけれど微妙に釣り合っている。
のこ
互いが互いの痛みをカバーして
何とか立っている部分もあるのかも
しれないわね。せつなくもあるけれど
勇気ももらえるような物語よ。
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