こちらは
子供に食事を提供する
駄菓子屋を描いたお話よ。
「こども食堂」みたいなやつ?
そうね。駄菓子屋がメインなのだけど
限られた子供に対して、夕食を
提供するの。
なるほど。利用するほうも
何か事情がありそうだな。
どんなご飯が食べられるのかも
気になるぞ。
『かすがい食堂』 伽古屋 圭市 (著) 小学館文庫
あらすじ
過酷な映像会社の仕事を辞め、祖母が営む駄菓子屋を継いだ、二十五歳の楓子。
子どもたちから「おばちゃん」と呼ばれることにも慣れてきた頃、夕刻になるときっちり三百円分の駄菓子を買っていく少年の存在に気づく。
楓子は少年のために食事を提供しようと考えた。
祖母の駄菓子屋「かすがい」に、夕方にやってくる小学四年生の翔琉は、三百円分の駄菓子を買い、それを夕飯にしているのです。
それを聞いた楓子はいてもたってもいられなくなり、その三百円で夕飯を作ってあげることを翔琉に提案します。
祖母にもその旨を伝え、ほぼ料理をやったことのない楓子ですが、頑張って作ったハンバーグは自分でもなかなかの出来でした。
「おいしい?」と尋ねる楓子の問いに翔琉の答えは「別に」。
箸の持ち方は難あり、食事は残す。
どうやら翔琉は食に興味を持たないようです。そこで楓子が祖母といっしょに考えた方法とは。
まとめ
食は体をつくる基本であり、そして何よりも楽しいもの。
子どもたちの成長を支える食事を提供し、心の面や「食」について考え、彼らとともに成長していく楓子。
家族ではない大人が、親とはまた違った視点で子どもたちを見守ってくれるということは、子どもにとっても幅広い価値観や安心感を得ることができそうです。
食の大切さ、楽しさについて改めて考えさせられる物語です。
<こんな人におすすめ>
子どもだけの食堂を営む駄菓子屋の物語に興味がある
食と子どもの心と体の関係について描いた話を読んでみたい
伽古屋 圭市のファン
買い物、素材、調理。
一緒に食べること、味と食感。
いろんなことが心と体の栄養に
なっていくんだなあ。
食の大切さや楽しさについて
考えさせられる物語ね。
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